ジャパンラグビーリーグワンの初代王座を目指し、プレーオフ枠(上位4チーム)を争うクボタスピアーズ船橋・東京ベイと横浜キヤノンイーグルスが4月9日、大阪の万博記念競技場で激突し、30-21でイーグルスが熱闘を制した。
暫定4位のイーグルスはこれで8勝4敗(総勝点36)。スピアーズは9勝3敗(総勝点44)となり、3位に落ちた。
序盤にスピアーズがFL末永健雄のキックチャージから先制したものの、イーグルスは16分、敵陣深くでアドバンテージをもらって連続攻撃でゴールに迫り、SO小倉順平が腕を伸ばしてトライを奪い返した。
その後、再び7点ビハインドとなったイーグルスだが、36分にペナルティゴール(PG)で点差を詰め10-14で折り返すと、44分(後半4分)には連続攻撃からCTB梶村祐介が抜けて逆転トライを挙げた。
アグレッシブなイーグルスに対し、スピアーズは反則の繰り返しで49分にイエローカードを提示され、苦しい展開となる。LOルアン・ボタがラインアウトスチールを連発し、けがから約1か月半ぶりの戦列復帰となった日本代表FLのピーター“ラピース”・ラブスカフニがブレイクダウンで奮闘するなどチームを鼓舞したが、相手のイーグルスはプレッシャーをかけ続け、57分と70分にFBエスピー・マレーがPGを決めて貴重な追加点を獲得。
そして、78分にはラインアウトからモールで押し込み、勝負を決めた。
スピアーズは終了間際にWTB山崎洋之がトライを挙げたが、反撃が遅かった。
敗れたスピアーズに替わって2位に浮上したのは、昨季トップリーグ(前身リーグ)チャンピオンの埼玉パナソニックワイルドナイツだ。新型コロナウイルス感染症の影響でリーグワン開幕からの2試合は不戦敗となったが、実戦では負けなしで、9日には地元の熊谷ラグビー場でNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安に31-24で競り勝ち、10勝目を挙げた。
前半をリードして折り返したのはシャイニングアークスだった。2021年度の明治大学主将だった新卒ルーキーの飯沼蓮が9番をつけ、元スコットランド代表主将のグレイグ・レイドローが10番に入り、チームに勢いをもたらした。
シャイニングアークスは序盤にPGで先制すると、31分には敵陣深くに入っての連続攻撃でアドバンテージを得、SOレイドローがチップキックを自ら確保してチャンスをつくり、LOマッケンジー アレキサンダーにつないでトライを挙げた。
一方、10点ビハインドで折り返したワイルドナイツは、後半の立ち上がりよく、43分(後半3分)、パワフルなPRヴァル アサエリ愛が突進してインゴールにねじ込み、この日初めてスコアボードを動かす。コンバージョンも決まって3点差とすると、2分後には、CTBディラン・ライリーが自陣から突破してWTBマリカ・コロインベテの独走をアシストし、逆転した。
ワイルドナイツは50分にも敵陣深くに入ってアドバンテージを得ると、SO松田力也がキックを放ち、インゴールに転がったボールをFB野口竜司が先に押さえ、トライが認められ点差を広げた。
しかし、粘るシャイニングアークスは、61分にLOジミー・トゥポウがゴール前の密集を乗り越えて得点すると、相手がPGで加点したあとの72分には、FBイズラエル・フォラウがパワーと軽快なフットワークでディフェンスを破り、トライ。コンバージョン連続成功で同点に追いついた。
それでも、ワイルドナイツは75分、HO堀江翔太の鮮やかなハンドスキルからNO8大西樹が左外をゲインし、連続オフロードでCTBヴィンス・アソにつなぎ、勝ち越しに成功する。
勇敢なシャイニングアークスは最後まで前年度王者を苦しめたが、ワイルドナイツが踏ん張り、接戦を制した。