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「トヨタらしさを取り戻せた」姫野和樹共同主将。4強入りへBL東京と大一番

2022.04.06

キャプテンとしての課題を挙げたトヨタV・NO8姫野和樹共同主将(撮影:高塩隆)

 今週末からリーグワン ディビジョン1の戦いが再開される。
 同カンファレンス内で5週連続総当たりで対戦、決勝トーナメントに進む上位4チーム、入れ替え戦に出場する3チームが決まる。

 注目カードはカンファレンスB・4位トヨタヴェルブリッツ対同5位の東芝ブレイブルーパス東京の直接対決。試合を前に4月5日、トヨタVのサイモン・クロンHCと選手がオンライン会見で取材に応じた。

 トヨタVは第11節を終え7勝4敗。第9節・埼玉WK、10節の横浜E戦と連敗した後、11節のGR東葛戦で36-10と2試合ぶりの白星を挙げ、バイウイークを迎えた。
 試合後の会見で姫野和樹共同主将は「オフザボールの動きができた。前半はトヨタらしい攻めができた」と久々の笑顔を見せた。

 チームは今季、後半に得点が伸びない課題を抱えている。サイモン・クロンHCによると序盤の試合キャンセル(第1節・静岡BR、3節・RH大阪)が大きかったという。
「開幕しても、開幕前のような雰囲気だった」

 来季はスーパーラグビーのフォースで指揮を執るクロンHC。選手たちにはGR東葛戦後に伝えたという。
「チームに伝えるのはハードでしたが、今の私の任務はまず次の試合に勝つこと」

 ハイランダーズでプレーした昨季を除き、加入1年目からキャプテンを担っている姫野共同主将も「今シーズン、これまでで一番うまくいってない」と振り返る。

 雨中だった第8節の横浜E戦、前半はPGで手堅く3点を重ねていたが、終了間際のペナルティで周囲から「トライがとれる」の声で、タッチキックを選択。ラインアウトモールで攻めたが、トライならず。逆に後半開始早々、相手にトライを許しペースを乱し、9-20と逆転負けを喫した。

「前半戦、チームが迷って個人プレーに走って、自分たちのラグビーができない要因になっていた。チームが迷ったとき、(自分が)しっかり舵をとる」(姫野共同主将)

日本代表合宿でのケガから復帰したWTB髙橋汰地(撮影:高塩隆)

 茂野海人共同主将も、後半のペースダウンを修正点に挙げた。
「いまは(そこに)フォーカスをおいて修正している。個人としては、ボールに近い位置にいるのでテンポを大事にしていきたい」

 今季新加入、ラインアウトの核となっているLOパトリック・トゥイプロトゥも、後半の入りを指摘した。
「後半にすぐ得点をとられると、モメンタムが逆方向に流れる。マインドセットを上げないと」

 逆転負けした横浜E戦後の練習から、オフザボールの動きを徹底。姫野共同主将も「前半戦は自分たちのラグビーが確立できず迷っていたが、(GR東葛戦で)よりクリアになった」と復調に手ごたえを感じていた。

 終盤戦に向け、昨季9トライを奪ったWTB髙橋汰地の復帰も明るい材料だ。昨年11月の日本代表合宿で左足首のじん帯を断裂。手術はせず、完調を待って第9節横浜戦からの出場となった。
 復帰戦は悪天候にたたられたが、翌週のGR東葛戦ではリーグワン初トライも上げ、実戦感覚を戻してきた。

「これまでは試合中、自分のやりたいプレーしかできなかったが、外から試合を見たことで、色んな選択肢を持てるようになった」と試合に出ない間に、プレーの幅を広げた。

 BL東京との試合は岐阜・長良川競技場でのホストゲームとなる。
 80分間、世界トップのプレーを見せ続けるFLピーター・ステフデュトイは「これまであまりよくない試合もあったが、ベターな試合を増やしていく。トヨタのレガシーを背負い、いい形で勝って、良い形でジャージーを次の人に渡したい」。

 BL東京はトップリーグ時代から、互いに激しいフィジカルでやりあった好敵手。迷いのトンネルを抜け、らしさを取り戻したトヨタ。
 岐阜での対戦は天下分け目の一戦になる。

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