かつて平尾誠二氏がプレーした英・ロンドン南西部にあるリッチモンドラグビークラブ。昨年12月には故人をしのび桜の植樹記念式典が開催されたことは記憶に新しい。
その伝統あるクラブハウスで女子ラグビードキュメンタリー上映イベントが開催された。リッチモンドウィメンでもプレーしたビクトリア・ラッシュ氏が監督を務めたドキュメンタリー作品の名は『No Woman No Try(ノー・ウーメン・ノー・トライ)』。
公開日は女子シックスネーションズ開幕前夜、3月25日(金)。それに合わせて同日にイベントも行われ、クラブ関係者、親子連れ、近隣住民など幅広い層からおよそ150人が集った。
ビクトリア・ラッシュ氏は、女子ラグビーの現状改善を牽引する重要人物の一人だ。これまでも女子ラグビーの啓蒙活動のひとつとして『#IAmEnough』キャンペーンなどでリーダーシップを発揮してきた。
今回は、ラグビーのみならず、昨今のスポーツ界で注目される情報発信の手段のひとつであるドキュメンタリー制作に動いた。
内容は、様々な立場、バックグラウンドの人物に焦点を当て、女子ラグビーのリアルを伝えるメッセージ性の強い内容となっている。
上映後にはトークセッションが設けられ、司会には、ラグビーワールドカップ2019日本大会でもお馴染みのエルマ・スミット氏、作品に登場したステファニア・エバンズ選手(ウスターウォリアーズウィメン)、ザイナブ・アルマ選手(リッチモンドウィメン)らが女子ラグビーの今と未来について熱く語った。
男女平等の機会提供。言葉で言うことは簡単だ。しかし、実現への道のりは長く険しい。
当たり前を変えるには声をあげ、小さな一歩を積み重ねるほかに道はない。そういった意味では、今回のドキュメンタリーは『Amazon Prime Video』で日本を含む世界中から視聴できる。現実を広く知ってもらえそうだ。
世界中の人の目にとまり、女子ラグビーとの携わり方に関して考える機会や行動に変化を促すきっかけを与える可能性を秘めている。
イベントの最後に、ビクトリア監督は日本ファンへ向けてこう述べた。
「ラグビーと日本文化の価値観は非常によく一致しています。ラグビーはすべての人のためのゲームです。日本の男子ラグビーが世界で活躍する一方で、私たちは日本の女子ラグビーにもそのような機会が与えられるよう支援したいと考えています」
今秋はラグビーワールドカップ2021、また来年には女子ラグビーの新たな世界大会フォーマット『WXV』の開催も控え、大きな転換期になる可能性を秘めている。
女子ラグビーの夜明けは近い。
◆『Amazon Prime Video』の視聴はこちらから。
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