ラグビーリパブリック

きょう準決勝で佐賀工と対戦。前大会王者ヒガシがハルヒ破って4強へ。

2022.03.29

前半26分、WTB馬田琳平のトライで18-5と差を広げた東福岡(G成功で20-5に)(撮影:髙塩 隆)

 前半5分と21分のPGにチームの文化が表れる。前半から25-5と大きくリードを広げたのは、拾えるスコアはきっちりと刻んで前に進む東福岡らしいスコアの積み重ねによるものだった。

 3月28日、熊谷ラグビー場で全国高校選抜大会の準々決勝が行われ、前年の同大会で優勝を収めている東福岡が、中部大春日丘を54-5で破り、4強に駒を進めた。

「前半は、取る前にミスが起きてしまって苦しい展開でした」

 謙虚に試合を振り返るのは大川虎拓郎主将。東福岡の6番を背負う、長身の突破役にして、最前線で体を張るディフェンダーだ。

 今大会、目の覚めるような鋭い出足でここまで勝ち上がってきた春日丘は、4強決めの舞台でも開始から前に出続けた。

 前半18分には5-10とラインアウトモールを起点にFWがトライも挙げたが(G失敗)、春日丘のスコアはここまで。続く時間は、東福岡が縦横無尽に攻めた。

 SH高木城治、SO高本とわのHB団にFWのフロントランナーも絡んで、密集から素早く、深くボールをさばくと、CTB西柊太郎らがブレイク。春日丘の飛び出してくるタックラーを、外へ回り込むようにかわして、タッチライン際までスペースを使い切るアタックが見事だった。いったん抜けると、大きな外のスペースは東の独占場。ランナーたちがスピード豊かにサポートを繰り返し、一気にトライを取り切った。風上の後半は5トライを積み上げて大勝した。

「今年はまだ、ディフェンスしかやっていません」と東福岡の藤田雄一郎監督。昨年の花園で東海大仰星(優勝)と準決勝で対戦し、22-42で敗れた苦い思いがある。「4本取ったのに、6本取られて負けてますからね」

 藤田監督は自分の頭の横に握り拳を作って、「その思いは、今でもこの辺にあります」。力のある選手たちを勝たせてやれなかった苦い思い。昨年はフィジカル・バトルをテーマに掲げて、チームの原点に立ち返って戦ってきた。今年は、そのベースを大事にしながらも「寝て、もっと早く起きて並ぶ」、ディフェンスの準備の動き、体の使い方からスタートしている。

 5日間できょうが4試合目になる準決勝、相手は隣県の佐賀工となった。

「相手がどこであっても、自分たちのディフェンスができればうれしい」と大川主将。藤田監督も「0-0でも負けることはない」と、新チームの取り組みを出し切るつもりだ。東福岡と佐賀工は、前回大会では準々決勝で対戦している(東福岡36-0佐賀工)。昨日は逆転で國學院栃木を破っている佐賀工にも勢いがある。キックオフは11時。