ジャパンラグビーリーグワンの初代王座を狙う上位チームが熱闘を繰り広げた。
10節を終えて1位の東京サントリーサンゴリアスは3月27日、大分県で4位の横浜キヤノンイーグルスと対戦し、40-27で勝利。実戦負けなしの3位・埼玉パナソニックワイルドナイツは同日、静岡県で9位・静岡ブルーレヴズの挑戦に苦しみながらも26-25で逆転勝ちした。
昭和電工ドーム大分でおこなわれた1位×4位対決。
先制したのはイーグルスだった。前半12分、10番をつけた小倉順平が鋭いステップで抜け、FLコーバス・ファンダイクにつなぎ最初のトライが決まった。
対するサンゴリアスは20分、FBダミアン・マッケンジーがWTB尾崎晟也とのパス交換で右サイドを攻略し、5点を奪い返す。イーグルスにプレッシャーをかけられ反則やエラーを多発したが、8-10で迎えた33分にはテンポよく攻め込み、CTB中村亮土からのキックパスを左外で捕球したWTBテビタ・リーがタックラーを振り切ってゴールに持ち込み、逆転した。
その後、ペナルティゴール(PG)で8点リードを奪ったサンゴリアスだが、ハーフタイム前に残り時間消費を判断ミスしてしまい、ピンチを招く。イーグルスは敵陣深くに入ってチャンスとなり、FBエスピー・マレーがディフェンスを抜けてトライを挙げ、コンバージョンも決まり、1点差に詰めて折り返した。
後半、両チームともPGで得点を重ね、21-20で迎えた56分(後半16分)、サンゴリアスはラインアウトからのサインプレーを決め、空いたスペースをNO8テビタ・タタフが抜けてHO中村駿太につなぎ、トライを挙げた。
しかしイーグルスも粘り、62分、ゴール前でPKを得ると速攻を仕掛け、LOリアキ・モリがゴールラインを越えてトライ。コンバージョンも決まり、再び1点差に詰めた。
それでも、競り勝ったのはサンゴリアスだった。
73分、粘り強く守るイーグルスに対して敵陣深くで14フェイズを重ね、左外にいたNO8タタフがパワーでタックラーを弾き飛ばし、トライ。FBマッケンジーが厳しい角度からのコンバージョンを決め、貴重な2点を追加した。
サンゴリアスは78分にも相手の落球から攻め込み、タタフが連続トライを挙げ、勝負を決めた。
静岡のIAIスタジアム日本平では、埼玉パナソニックワイルドナイツが勝点を伸ばしたが、奮闘が光ったのはチャレンジャーだった。
試合終了1分前の時点でリードしていたのは静岡ブルーレヴズだった。
ペナルティゴール(PG)で先制したワイルドナイツに対し、ブルーレヴズは前半27分、ハーフウェイのスクラムからの展開でSOサム・グリーンが抜けてゴールに迫り、NO8イシ・ナイサラニがインゴールに突っ込み最初のトライを挙げた。
30分には相手のラインアウト失敗から攻めに転じ、またもグリーンが鋭い走りでチャンスをつくり、クイックリサイクルから主将のLO大戸裕矢がコーナーにフィニッシュし、会場を沸かせた。
厳しい角度からのコンバージョンを決めたFB奥村翔は、39分にはPGでも加点し、ブルーレヴズが12点リードで折り返した。
追いかける展開となったワイルドナイツは後半早々、CTBハドレー・パークスのチップキックに反応したCTBディラン・ライリーが捕球して大きくゲインし、ブレイクダウン後、SH小山大輝がそのサイドを抜けてゴールに持ち込み、流れを変えた。
コンバージョンを決めたSO松田力也は、46分(後半6分)にはPGでも加点し、2点差に詰めた。
ワイルドナイツは、57分に危険なタックルをした選手にイエローカードが出たが、61分にはスクラムでPGチャンスを獲得し、松田が決めて逆転した。
しかし、数的有利のブルーレヴズは68分、FB奥村の力走を起点に連続攻撃でゴールに迫り、堅守のワイルドナイツに対し、FLクワッガ・スミスがダブルタックルを破ってインゴールに押さえ、再びゲームをひっくり返した。コンバージョンも決まって6点差。
その後、両チームともPGで得点を重ね、迎えた終盤、ゴールに迫ったワイルドナイツに対してブルーレヴズは反則を犯してしまい、イエローカードを提示される。
これで数的有利となったワイルドナイツは80分、攻め込んでゴール前でFWが近場を突き、接点を少しずつ中央に移動し、NO8ジャック・コーネルセンがインゴールに突っ込み、1点差。そして、SO松田が確実にコンバージョンを決め、ワイルドナイツが土壇場での逆転勝ちとなった。