リーグワンのディビジョン2で戦う三重ホンダヒートは3月20日、地元の三重交通Gスポーツの杜鈴鹿にライバルの花園近鉄ライナーズを迎え、勝てば順位が入れ替わって2位に浮上するチャンスだったが、後半に規律が乱れ、30-40と逆転負けした。
世界クラスのハーフ団であるウィル・ゲニアとクウェイド・クーパーを欠いた花園近鉄ライナーズに対し、三重ホンダヒートは65分(後半25分)までリードしていた。
試合開始早々、FBマット・ダフィーのキックチャージからチャンスとなり、ボールを拾ったNO8ヴィリアミ・アフ・カイポウリがゴールへ走り切り先制すると、24分には2019年ワールドカップの優勝メンバーである南アフリカ代表のLOフランコ・モスタートが力強い突進で得点し、39分にはWTB藤崎眞樹が躍動した。
SO朴成基は安定したゴールキックで得点を重ね、51分時点で27-14だった。
しかし、その3分前に故意の反則をした選手が10分間の退出を命じられ、数的不利の時間帯に失点してしまう。
52分、前半に2トライを挙げていた花園近鉄ライナーズのWTB木村朋也がタックラーを外してインゴール左隅に飛び込み、ハットトリック達成。55分にはライナーズの5番をつけた身長2メートル超のフィジアンであるサナイラ・ワクァがハーフウェイからダイナミックに走り抜け、コンバージョンも決まり1点差となった。
その後、三重ホンダヒートはSO朴のペナルティゴールで3点を追加したが、63分と66分に危険なプレーが続いてレッドカードとイエローカードを提示され、ヒートは残り時間のほとんどを13人で戦う厳しい展開となった。
まもなく、圧倒的に有利となった花園近鉄ライナーズが攻め込み、テンポよくボールを動かしてFL横井隼が逆転トライを挙げる。77分にもスクラムからの展開でWTBジョシュア・ノーラが右外を抜け、ライナーズの勝利となった。
ディビジョン2では同日、マツダスカイアクティブズ広島が地元のバルコムBMWスタジアムで釜石シーウェイブスRFCと対戦し、21-19でリーグワン初勝利を挙げている。
スカイアクティブズ広島は、前半7分にモールを使ってPR大竹智也が先制すると、14分には相手が落としたボールを拾ってすばやく展開し、WTB久保清悟がトライを決めた。
14-5で迎えた61分(後半21分)には、敵陣深くに入ってのラインアウト後、モールから持ち出したFLテヴィン・フェリスが次々とタックルを外してトライ。SOベン・ルーカスはコンバージョンキックすべて成功で貴重な2点を重ね、リードを16点に広げた。
終盤、釜石シーウェイブスのFBキャメロン・ベイリーが好走で連続トライを挙げ、2点差となったが、スカイアクティブズ広島が逃げ切り、初勝利に歓喜した。
この日はディビジョン3でも1試合がおこなわれ、福岡県を拠点とする宗像サニックスブルースと九州電力キューデンヴォルテクスがミクニワールドスタジアム北九州で激突。3位のブルースが25-20で競り勝ち、5勝3敗(総勝点22)となった。4位のキューデンヴォルテクスはこれで3勝5敗(総勝点19)。
福岡ダービーは接戦となり、ブルースは11-13で迎えた51分(後半11分)、PRパディー・ライアンがゴール前中央でスクラムを組んだあと、すぐにボールが動いた右サイドへ移動し、タイミングよく走り込んでパワーでゴールラインを割り、逆転トライを決めた。
一方、1月末の第3節で対戦したときに惜敗していたキューデンヴォルテクスも勝利への執念を燃やし、64分、キャプテンのFL高井迪郎がラインアウトスチールして敵陣深くでのアタックチャンスとなり、連続攻撃、CTBサム・ヴァカが中央を破って同点トライを挙げた。そして、WTB萩原蓮のコンバージョンも決まり、再びリードを奪った。
しかし、終盤、ゴール前で攻め続けたブルースに対し、キューデンヴォルテクスは反則を繰り返してしまう。そして76分、ブルースがスクラムで圧倒した直後、大澤昂平レフリーはペナルティトライを宣告した。再逆転。
これが決勝点となり、ライバル対決はノーサイドとなった。