ジャパンラグビーリーグワンの初代王座を狙う埼玉パナソニックワイルドナイツが、今季実戦では負けなしの8連勝だ。3月19日にホームの熊谷ラグビー場でリコーブラックラムズ東京と対戦し、29-12で制した。
東京オリンピックを目指して7人制ラグビーに挑戦していた藤田慶和が14番をつけて3季ぶりのワイルドナイツ出場となり、注目された一方、チャンスをもらった若い選手たちも躍動し、改めて選手層の厚さを感じさせた前年度のトップリーグ王者。最初に魅せたのは、15番を任されデビューとなった山沢京平だった。
兄・拓也と同じく非凡な才能を持つ23歳は、試合開始早々、鋭い走りでディフェンスを切り裂いて大きくゲインし、チームに勢いをもたらし、最後はPR平野翔平がインゴールに突っ込み先制した。
埼玉ワイルドナイツは11分にも敵陣深くに入ってアドバンテージを得ると、SO松田力也がディフェンス裏にキックし、インゴールに転がったボールを22歳のWTBセミシ・トゥポウが押さえてトライ。さらに松田がペナルティゴールでも加点し、15-0とした。
対するブラックラムズ東京は30分、自陣から速攻を仕掛けてスピーディーにボールをつないでゴールに迫り、PR千葉太一がトライゲッターとなってチームを鼓舞した。
しかし、埼玉ワイルドナイツはハーフタイム前、敵陣深くに入ってFWでゴールに迫ると、22歳の成長株であるLOエセイ・ハアンガナが体を伸ばしてインゴールに押さえ、22-7とリードを広げて折り返した。
追いかけるブラックラムズ東京は後半の立ち上がりよく、45分(後半5分)に攻め込み、CTB濱野大輔がタックルを2つ外してトライを奪い返し、10点差に詰めた。
だが、堅守を武器とする埼玉ワイルドナイツは大崩れしなかった。
51分にもブラックラムズ東京がキックを使ってトライチャンスだったが、11番のトゥポウが懸命に戻ってボールをセービングし、失点を防いだ。
埼玉ワイルドナイツはその後も安定したセットピースなどでピンチを脱出すると、72分にはラインアウトからモールでゴールに迫り、後半からの出場でFLとしてプレーしていたベテランの堀江翔太がトライゲッターとなり、勝利を引き寄せた。