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ウクライナ侵攻の影響でラグビーロシア代表の2023W杯出場消滅 ジョージアが欧州予選突破

2022.03.11

ラグビーワールドカップ2019日本大会、熊谷で国歌を歌うロシア代表(Photo: Getty Images)


 ラグビーの世界では「ベアーズ」の愛称で知られるロシア代表の、ラグビーワールドカップ2023への道は絶たれた。2019年に日本で開催された楕円球界の最高峰舞台に参加し、開幕戦で日本代表を相手に最初のトライを挙げて健闘するなど勇敢なチャレンジを見せたベアーズは、2023年のフランス大会も出場を目指し、ヨーロッパ最終予選に挑んでいたが、ラグビー以外の問題で、選手やスタッフたちは夢を奪われた。

2019年のワールドカップ開幕戦で日本代表をあわてさせたロシア代表(Photo: Getty Images)

 ロシア軍のウクライナ侵攻が原因だ。
 ロシア政府は世界中から強く非難され、国際オリンピック委員会(IOC)はすべての競技の国際大会にロシアとベラルーシ(ウクライナ侵攻に関与)の選手や関係者の除外を求めた。ラグビーユニオンの国際統括団体であるワールドラグビーもIOCの勧告に沿って、ロシアの国際試合出場および国境を越えた活動をすべて停止する制裁を2月末から科していたが、ロシアの軍事侵攻は続いており、ワールドラグビーは3月10日、ロシア代表の予選残り3試合は棄権にすることを決定した。

 ワールドカップ2023の予選を兼ねた2021年と2022年のヨーロッパチャンピオンシップ(6チーム参加)において、2勝5敗と苦しみながらも2大会連続3度目のワールドカップ出場へわずかな望みをつないでいたロシアだが、ワールドラグビーは、「ラグビーワールドカップ2023予選参加条件に従い、ロシアがワールドラグビーのメンバー資格停止処分を受け続ける限り、ロシアが予定していた残りの試合は放棄されたものとして扱われる。これにより、ジョージア、オランダ、ポルトガルは、ロシアとの未消化試合の勝者として、勝点4を獲得した」と発表した。

ロシアのライバルであるジョージアは欧州予選でも実力を見せ首位を独走していた(Photo: Getty Images)

 この決定により、7勝1分(総勝点35)となったジョージアの2位以上が確定し、6大会連続のワールドカップ出場権獲得が決まった。ヨーロッパからのもう1枠と世界最終予選プレーオフ進出をめぐっては、5勝3敗(総勝点25)のスペイン、5勝1分3敗(総勝点25)のポルトガル、5勝3敗(総勝点22)のルーマニアが競う。

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