前身のトップリーグ時代は、なかなか試合に出られなかった。
それでも、「基本的に、あまりへこんだりはしない方です」。クボタスピアーズ船橋・東京ベイの千葉雄太は、ルーティーンを貫いたという。
好きな筋トレだ。
「常に重りを上げて、身体を強くして、体重を上げて…という思いはあります。自分のなかで、ルーティーンを組んでやる。月曜は上半身、火曜は下半身…など、チームで決められているメニューもありますが、それに加えて自分でも何か所かやる。そう、決めています」
29歳。まもなく入部8年目に突入する。雌伏期間が短くなかった中堅戦士がいま、注目を浴びている。
今季のリーグワン・ディビジョン1では、第3節から2戦連続でNO8として先発。身長183センチ、体重106キロの巨体で豪快に突進する。簡潔なプレースタイルと相まって、実況中継で名前を多く呼ばれる。
昨季まで同部の現役選手だった今野達朗アシスタントコーチには、それまでの積み重ねを評価された。
「僕らとしては、外部の方が思うほどのインパクトは感じていません。千葉ならこれくらい普通にやってくれるだろう、と、驚きはない。一緒にプレーしていて『いつ試合に出ても、行ける(通用する)な』と思っていた選手が、そのままプレーして活躍している。うちの層が厚くなったんだなと感じています」
もともとサッカー部入りを希望していた仙台育英高で、自身の学ぶ校舎の近くで練習していたラグビー部を見学。「抜けられなくなった」と、楕円球の道へ足を踏み入れた。
スピアーズでは、フラン・ルディケ ヘッドコーチのもとでは、「一貫性」を持つよう助言された。
「ボールを持たない時にあまり目立てていない。そういうところでも一貫性を持ってやれ、という指示などは受けています」
同じFW第3列には、昨秋に日本代表の主将となったピーター“ラピース”・ラブスカフニがいた。千葉は、ラピースの「一貫性」に触発されている。
「ラピースは、メンタル面がいつも同じ。少しだけ身体を当てるような練習でも、激しく来る選手。一貫性があるなと。見習おうと思っています」
スピアーズでは前節まで、ラブスカフニをはじめ複数の選手が「メディカル的な理由」(ルディケ)で欠場中。3勝1敗と白星を重ねるなか、千葉のような国内組が存在感を強めている。