ラグビーリパブリック

ヴェルブリッツ、必然性ある勝利へ。ブレイブルーパスは個性発揮も反則に泣く。

2022.01.30

スクラムを組む東芝ブレイブルーパス東京とトヨタヴェルブリッツ(撮影:松本かおり)


 東芝ブレイブルーパス東京の絶好機に映った。

 同点で迎えた後半11分。対するトヨタヴェルブリッツのFB、ウィリー・ルルーが、境界線よりも前でパスカットを狙う。10分間の一時退場処分を受ける。

 それまでルルーは、防御をおびき寄せる走り、好キックとその弾道を追う動きで違いを示していた。ブレイブルーパスにとっては、向こうのキーマンが抜けて数的優位を保てる。

 ところが、直後の敵陣ゴール前左での好機では仕留め切れず。直後のスクラムでも、組み合う際の動きをとがめられた。ヴェルブリッツに陣地を挽回された。

 20-23と勝ち越されたのは、その約5分後のことだ。向こうにペナルティゴールを与えたのは、自軍スクラムで圧をかけられ、崩したためだ。

 好機でのミスと反則がたたり、ルルーが戻った際のスコアは23-26となった。

 続く26分には、WTBの濱田将暉の好ランでチャンスを作るも、敵陣22メートルエリアで被ターンオーバー。直後、ヴェルブリッツのSH、福田健太が、味方のもぎ取ったボールを得て逆側のゴール前まで疾走する。

 駆け戻るのは、セタ・タマニバル。ブレイブルーパスのCTBだ。

 福田にたまらず、ハイタックルをしてしまう。

 ペナルティトライが成立。23-33。勝負がついた。

「ペナルティ(の影響)でゲームに勝ち切れなかった。(ルルー不在の間は)基本的にボールをキープしたかったですが…」

 こう語ったのは、敗れたブレイブルーパスのSH、小川高廣共同主将である。

 不戦勝を挟んでの3連勝を目指したこの日は、LOのジェイコブ・ピアス、FLのマット・トッドが、高低を織り交ぜたタックルと接点への圧で奮闘。攻めては濱田ら両WTBのランニングスキルで好機を演出した。

 観客席ゲートの外にはキッチンカーに人気選手の撮影用パネルが並び、グラウンド脇のアンツーカーではチームマスコットがハリセンを叩いての応援を促す。かようなホストゲームの演出を背に、長所は示した。

 しかし、反則数は相手の「10」を上回る「14」(フリーキックは除く)。規律遵守に苦しんだ。

 空中戦のラインアウトでも、FLの徳永祥尭共同主将いわく「個人的に思うのは、いったんハドル(円陣)を組んでからラインアウトに入ることが多かった」。投球から捕球までのリズムが緩やかだったのが、相手の長身選手のスティールを招いたか。

「もっと、クイックでパン、パンと(リズムよく)ボールを捕りにいけば、相手が(競り合う場所について)判断する時間を減らすことができたと感じます」

 本来ならもっと制御したい領域があったかもしれぬ一戦、トッド・ブラックアダー ヘッドコーチはこう総括する。

「いろんな感情がありますが、よくプレーできていた時はあった。プレーがよくできている時は、自分たちがボールを使って何ができるかを見せられた。自分たちの方がいいチームなのかな、と感じましたが、勢いを活かし切ることができなかった」

 ヴェルブリッツのNO8で出た姫野和樹主将はまず、不戦勝以外による初白星に「プランを遂行すること、コンタクト、プレーの精度がよくなった」と総括。続けて、現実を直視する。

「ペナルティの数が多いのが問題点。練習からその(反則を減らす)意識づけをリーダーとしてやりたい。あとは、全体のクオリティを上げたい。システム上、『誰が(いるべき場所に)いない』とか、細かい部分で改善できる部分はある」

 新加入のピーターステフ・デュトイ、3季目の古川聖人という両FLがフル出場して地上戦、防御の穴埋めで奮闘も、終盤に組織的に攻め込まれて伸びしろを示していた。

 感染症の影響で、前日の試合中止決定を2度も受け入れてきた同部。姫野の言葉を借りれば、「コントロールできることをコントロール」し、必然性の高い白星をつかみたい。

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