チーム内に複数の新型コロナウイルス感染症陽性者が確認され、試合登録メンバーを揃えられず、新しく始まった「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」で開幕から2試合続けて不戦敗となった昨年度日本一の埼玉パナソニックワイルドナイツだが、1月23日にようやくキックオフを迎え、埼玉・熊谷ラグビー場でファンの拍手を浴びた。
2連勝で好調だった横浜キヤノンイーグルスと対戦し、27-3で勝って王者の強さを見せつけた。
前半は、序盤からしばらくイーグルスに勢いがあったが、ワイルドナイツは堅いディフェンスで相手に流れを渡さなかった。
3分、17分、19分とイーグルスがゴールに迫るも、ワイルドナイツはトライを許さない。20分にも赤いジャージーがキックをまじえて攻め込み、WTBエスピー・マレーがタッチライン際を駆け上がったが、青いジャージーの14番・竹山晃暉が懸命に外へ押し出した。
一方のイーグルスも運動量豊富で、NO8アマナキ・レレイ・マフィがブレイクダウンでターンオーバーを連発するなど、互いに譲らない激しい攻防が続いた。
そして、3-3で迎えた前半35分、ワイルドナイツのFB野口竜司が自陣からのカウンターでゲインし、パスをもらった新加入のオーストラリア代表WTBマリカ・コロインベテが左外で粘って内に戻すと、イーグルスの選手が触ってこぼれたボールを青いジャージーの13番、ディラン・ライリーが拾ってゴールへ駆け抜け、ワイルドナイツが勝ち越した。
前半ラスト、イーグルスはFL嶋田直人のブレイクスルーから敵陣深くに入り、15フェイズを重ねたが、ワイルドナイツはここでも堅守を発揮し、10-3で折り返した。
7点ビハインドのイーグルスは48分(後半8分)、ゴール前中央のスクラムからトライを狙いに行ったが、青いFWパックが踏ん張って点差は縮まらなかった。
選手層が厚いディフェンディングチャンピオンは51分、HO坂手淳史、PR稲垣啓太、平野翔平、FLラクラン・ボーシェー、福井翔大と豪華なリザーブを一気に投入し、フレッシュレッグのエナジーも加わって試合を有利に進めた。
そして56分、ワイルドナイツはハーフウェイ付近のスクラムで押し込み、近場をファーストレシーバーのWTBコロインベテが抜け、FLボーシェー、CTBハドレー・パークスとつないでトライを獲得する。
75分にもゴールに迫ってFWが中央にディフェンスを集めると、SO松田力也がキックパスで右WTB竹山に通し、トライ。松田はゴールキックでも貴重な追加点を重ね、ワイルドナイツがタフな戦いを制した。