花園の熱狂の余韻も冷めやらぬ1月上旬、全国各地で新チームによる新年度の戦いが次々とスタートした。激戦区の大阪では、第73回近畿高校大会の府予選が開幕。さっそく実力校が好ゲームを繰り広げている。
16日の2回戦では、興國が摂津に62-0と快勝。この冬より就任した村田賢史新監督の初陣を飾った。
村田監督はSOとして啓光学園、早稲田大学で全国優勝を経験。卒業後はNTTドコモレッドハリケーンズ、釜石シーウェイブスと社会人チームでも活躍した。引退後は通信制の大学で保健体育の教員免許を取得。2018年より教員として興國に赴任した。
以後、ヘッドコーチとしてラグビー部を支え、新シーズンを迎えるこのタイミングで伊藤矢一前監督からバトンタッチ。伊藤GM、村田監督という新体制となり、このたび最初の公式戦に臨んだ。
「監督として初めての公式戦で、選手より自分のほうが緊張していたかもしれません。新チームになって取り組んできたディフェンスが機能してよかった。でも、課題はいっぱいある。やっぱり公式戦をやってみて、学ぶことが本当に多いですね。一戦一戦を大事にしていきたいと思っています」(村田監督)
この日3トライ4ゴールの活躍を見せたSO野村魁人にとって、村田監督は自身の担任でもある。新体制での初試合の後、感想をこう語った。
「村田先生には同じSOとしていろいろ教えてもらっています。今日は自分たちにとって初の公式戦でしたが、今まで通りという感じで、村田先生の初試合という意識はまったくなかったですね(笑)」
激戦区大阪で過去9度の花園出場を数え、元トップリーガー監督のもとで1984年度の第64回大会以来の花園を目指す古豪・興國。次戦の準決勝では、この冬の全国王者、東海大仰星にチャレンジする。