ラグビーリパブリック

横浜キヤノンイーグルス開幕2連勝。アマナキ・レレイ・マフィ、ずっと走っている。

2022.01.15

コベルコ神戸スティーラーズ戦で気合が入っていた横浜キヤノンイーグルスのマフィ(撮影:松本かおり)


 調子がよさそうだ。
 
 日本代表としてワールドカップへ2大会連続で出場中のアマナキ・レレイ・マフィは、1月15日、神奈川・日産スタジアムでのリーグワン第2節に横浜キヤノンイーグルスのNO8として先発する。

「今日は皆、よく頑張りました。素晴らしいと思います」

 トンガ出身の32歳が日本語で話す通り、チームはコベルコ神戸スティーラーズに55-21と快勝する。
 
 トップリーグ(前身のリーグ)最終年度の対戦では、10-73と負けていた。

 しかし今季は、「去年からの積み重ね(がある)」と田村優主将。沢木敬介監督体制2季目にあって、「誰が(試合に)出てもプランに沿っていいラグビーをするんだろうなと思っている」と控え組を含めた進化を感じている。

 この午後に至っては、沢木監督いわく「フィットネスで勝とう。前半、ぶっ飛ばしていこう」。序盤から果敢に攻めて走り勝つという計画のもと、自陣の深い位置からでもパス、再獲得を促すキックを交えて攻めた。開始15分で26-0と圧倒した。

 点差をつけてからも、田村は「このチームにとってはやると決めたことを信じてやり抜くことも大事」とペースを変えなかった。

 なかでもタフさを示したひとりが、昨季中盤に移籍加入のマフィである。持ち前の突進力で連続攻撃に勢いをもたらし、34-14とリードして迎えた後半3分には貴重な追加点を挙げる。敵陣ゴール前でフェーズを重ねるなか、ラック上の球を拾い上げてそのまま直進。インゴールエリアで飛んだ。直後のゴールキック成功で41-14とする。

 守っては再三のジャッカルで、ノット・リリース・ザ・ボールの反則を誘う。それ以外の場面でも、防御網を整えながらタックルを繰り出す。相手をタッチラインの外へ押し出したり、パスミスを誘ったり。

 状態のよさについて聞かれれば、この調子だ。

「(準備期間の)9月からずっと…走っていて…。やはり、フィットネスはありますね。沢木さんがこのチームを強くするために(そのメニューを組んだ)」
 
 沢木監督は2015年のワールドカップ・イングランド大会まで日本代表のコーチングコーディネーターを務め、その前年に初代表のマフィを指導している。勤勉さとスキル、判断力を貴ぶ指揮官への、マフィの信頼感がにじむ。

「神戸が何をやってくるのか、しっかりわかっていますし。監督からは『出し切ろう』と言われていて。チームメイトのコネクトがすごいいいと思いますし、ひとりひとり、ハードワークしていると思います。…日本語、合ってるかな?」

 試合後の公式会見で、沢木監督は「ちょっとずつ、選手のマインドは上がってきている」。上向きであるのを認めるが、やはり、手綱を締めるのも忘れない。

 終盤にやや攻め込まれたのを踏まえてか…。

「最後、ガス欠、したのでね。さっき、ロッカーで『もうちょいフィットネス必要だな』って、話していました。な?」

 隣席する田村主将もうなずく。かねて直截(ちょくせつ)に発言する沢木監督の「らしさ」を感じてか、報道陣も笑みをこぼす。
 
 イーグルスはこれで開幕2連勝。予定上は、現在パンデミックに苦しむ埼玉パナソニックワイルドナイツとの第3節を23日に控える(埼玉・熊谷ラグビー場)。

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