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通称「アークス」名将復帰で蘇生の兆し。ゲイツ新主将は日本代表復帰へ奮起。

2022.01.14

青いジャージーの中央がアークス主将のシェーン・ゲイツ(撮影:前島進)


 NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安。計29文字の正式名称で話題のクラブが、2022年1月からのジャパンラグビーリーグワンで確たるインパクトを与えた。

 8日の初戦。前身のトップリーグで2018年度王者のコベルコ神戸スティーラーズを、敵地の神戸ユニバー記念競技場で下した。24-23。2011年度以来の勝利である。

「フレッシュな状態。とてもいいチームになっている」

 アウトサイドCTBで先発したシェーン・ゲイツ新主将は、かねて手応えを口にしていた。クラブには、2018年度限りで退団したロブ・ペニー監督(前回はヘッドコーチ)が復帰していた。ゲイツは続ける。

「彼が戻ったことで、チームの文化を見つめ直しました。どういった歴史を持っていて、自分たちが何を目的としてチームを作り上げているのか…。原点に立ち返れた」

 2014年度に同部へ加わったペニーは、チームの看板たるワイド攻撃を構築。その前年度に13位だった順位を8位、8位、5位と順に上方修正させていた。

 ペニーが他の職場へ移っていた間、通称「アークス」の関係者は「ロブは、試合に出られない選手になぜメンバーから外れたかを丁寧に説明していた」と懐かしがったもの。2020年にあった最後のトップリーグでは、主力の離脱もあり8強入りを逃した。

 かくして国内リーグの新装開店に伴い、原点回帰を目指した。スタッフによると、ペニーはオーストラリア代表を離れたイズラエル・フォラウの獲得へお墨付きを付与。現場では、代表経験のある選手から「マネージメント」の手腕を貴ばれる。

 ボスと控え組との対話も、以前よりも密になったか。

 2016年に南アフリカから来日のゲイツは、「彼がメンバー外の試合に出られていない選手にケアするのは重要」。さらにこう続ける。

「今季、我々は内々で『絆』という言葉を大事にしています。試合に出ない選手、スタッフを含めてひとつのチームを作る。目標はトップ4入りと、シャイニングアークス史上ベストなチームになること。ひとつひとつ勝って、いいポテンシャルで試合をしていきたい」

 15日の第2節では、東京・秩父宮ラグビー場で、クボタスピアーズ船橋・東京ベイとの「千葉ダービー」に臨む。

 今度も初戦に続いて13番をつけるゲイツは、日本代表復帰も目論む。

 振り返れば2019年、足に大けがを負った。日本代表選出が期待されたなか、同年のワールドカップ日本大会を観客として見届けた。

 この国の代表となれたのは昨年7月。自身の家族がルーツを持つ、アイルランドの代表との試合へ途中から出た。

 それまでに、計4度も手術していた。

「ラグビーができないのではと思うこともあったなか、日本代表に選ばれた。その時の数か月は興奮しました。ジェットコースターに乗ったようで、一瞬の出来事でした。ラグビーに戻り、日本代表でプレーできたことで自信を持てた」

 ところが、昨秋のツアーでは帯同が叶わず。2022年の日本代表活動へ参加するには、いまのリーグワンでパフォーマンスを示すほかない。落選を「正直、残念でした」と振り返る29歳は、不屈の心を保つ。

「ここで終わったわけではない。もう一度、ベストを尽くす」

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