新リーグとして先週末に開幕した「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」 は、1月10日に東京・秩父宮ラグビー場でディビジョン2の1試合がおこなわれ、三菱重工相模原ダイナボアーズが25-14で花園近鉄ライナーズに競り勝った。
かつて国内最高峰のトップリーグ(前身のリーグ)を経験している両チームの対戦。
三菱重工相模原ダイナボアーズは序盤に2トライで主導権を握った。
前半2分、すばやく展開してWTBベン・ポルドリッジが駆け上がり、右隅に飛び込み、タックルを受けながらもインゴールに押さえ、トライが認められた。厳しい角度からのコンバージョンを元ニュージーランド代表SOのコリン・スレイドが成功する。
15分にはNTTコミュニケーションズから移籍した新戦力のFL鶴谷昌隆がブレイクダウンで奮闘してペナルティゴール(PG)のチャンスを得、加点。
ダイナボアーズは17分にも攻め込むと、ゲームキャプテンのHO安江祥光がラックから持ち出して突っ込み、トライゲッターとなった。スレイドのゴールキック好調で17-0とした。
一方、最初の20分間は、自陣でプレーする時間が長く劣勢だった花園近鉄ライナーズだが、28分、オーストラリア代表“ワラビーズ”でも長年コンビを組んできた世界的スターのクウェイド・クーパーとウィル・ゲニアが流れを変える。
カウンターを仕掛けたSOクーパーがノールックパスで右外のWTB南藤辰馬につなぎ、パス交換でゲイン、そしてサポートしたSHゲニアがインゴールに持ち込んだ。ライナーズで成長して、昨年、4年ぶりにワラビーズのゴールドジャージーを取り戻し、来年のワールドカップも期待される33歳のクーパーは、コンバージョンも決めて加点する。
その後、ダイナボアーズにPGを許したライナーズだったが、37分には相手ボールスクラムをターンオーバーすると、タッチに蹴ってラインアウトからトライを狙いに行き、サインプレーを決め、WTB南藤が鮮やかに抜けて得点した。クーパーのゴールキック連続成功で、6点差に詰めて折り返した。
後半は、しばらく互いに譲らない攻防が続いた。
花園近鉄ライナーズは、日本代表のCTBシオサイア・フィフィタや途中出場のHO金子惠一などが粘り強いディフェンスでピンチをしのげば、三菱重工相模原ダイナボアーズは元ニュージーランド代表のLOジャクソン・ヘモポがタックルからのジャッカルでチームを鼓舞した。
追加点を奪ったのはダイナボアーズで、64分に力強いレッグドライブでゴールラインを割ったCTBマイケル・リトルのプレーはTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)でダブルモーションが確認されノートライとなったが、70分(後半30分)、10フェイズを重ねてテンポよくつなぎ、WTBポルドリッジがトライを決めた。
ダイナボアーズはその後、新加入のPR石井智亮が古巣相手にブレイクダウンで奮闘してチームを活気づけ、CTBリトルのハードディフェンスなどもあり、開幕戦勝利をつかんだ。