1月8日、第101回全国高校大会の決勝がおこなわれる。
14時5分、キックオフだ。
春の選抜王者・東福岡を破った、東海大仰星が4大会ぶり6度目の優勝なるか。
それとも、初の4強入りを果たし桐蔭学園の2連覇も止めた、Bシードの國學院栃木が勢いそのまま初優勝なるか。
夏の全国7人制大会決勝と同カードになった(17-14で東海大仰星が優勝)。
熱戦が期待される。
決勝を前に昨日(7日)、オンラインにて行われた両校の談話を紹介したい。
「白石を優勝キャプテンに」を合言葉に。
快進撃が続く國學院栃木(以下、國栃)は、奈良朱雀高校のグラウンドを借りて前日練習をおこなった。初の4強入り、そして初のファイナリストとなり、リラックスした雰囲気で会見に臨んだ。
就任34年目の吉岡肇監督は、「栃木県の歴史を塗り替える快進撃はしてくれたので、のびのびと、最初から悔いのない試合をしてほしい」と話す。
非凡なセンスを見せる2年生の伊藤龍之介も、「花園の決勝は夢の舞台なので、緊張で堅くなるとかそういうもったいないことをしないで、本当に楽しみたい」と思いを語った。
初の決勝でBシードということもあり、「われわれは明らかにチャレンジャー」と吉岡監督。それでもチームにはもうひとつ壁を超える雰囲気があると、白石和輝主将は言う。
「まだまだこれからだぞという雰囲気がある。桐蔭に勝っても満足していない。明日も成長したい」
今季注力してきたディフェンスで、ファイナルの舞台まで這い上がってきた。関東大会で茗溪学園、流経大柏と戦い、2試合とも失点0に抑えて優勝したことで手ごたえを掴んだという。
そして花園に入り、さらに成長した。4試合で最大失点は10。ゴールラインを割られたのは、わずか4度だけだ。
「(花園に入り)精神的な面でディフェンスが我慢強くなったと感じます。抜かれたり、反則を犯すような場面で全員が規律を守り、戻るディフェンスもできるようになった」と白石主将。
吉岡監督も「これまでの4試合同様に一生懸命タックルして起き上がって、ロースコアに持ち込みたい」と話した。
初戦(松山聖陵戦)の試合開始10分に脳震とうの影響で退いた、白石主将は決勝戦も欠場の予定だ。
「白石主将の思いも背負って、最後まで執念のタックルができるかどうかが鍵になる」(同監督)
白石主将は「東海大仰星はアタック、ディフェンスともに完成度の高いチームなので、60分間我慢の時間が続くと思うけど、辛抱強く、少ないチャンスをものにしたい。自分は試合に出られないけど、選手たちには決勝の舞台で今までやってきたことを出しながら、楽しんでほしい」と語った。
すべての方面に感謝とリスペクトを持つ。
一方の東海大仰星(以下、仰星)は、自校のグラウンドで前日練習をおこない、アタック、ディフェンスともにもう一度見直す時間にした。
「中等部と一緒に、いままでやってきたことを高校生がコーチングをしながら振り返りました」と湯浅大智監督。
仰星も國栃同様に、花園で試合を重ねるにつれて成長を遂げた。細かいミスがなくなり、プレーに自信もついた。
テーマにしている「つながり続けるラグビー」の完成度が上がっている。
LO楠田知己は言う。
「試合を重ねるにつれて全員の意思疎通がどんどんできてきた。それをより一層厚くして、しゃべらずとも横の選手とコミュニケーションができれば優勝も見えてくる」
湯浅監督はこうだ。
「高校ラグビーに限らず、ワールドカップを見ても、守備の戦術が発展してきたから、ボールをつなぐことが難しくなっている。その中でより意思疎通を大事にして新たな発想をする。見てくださる方々が面白いなと思える、魅力あるラグビーを表現できたらと思います」
対戦校である國栃に対しては、やはりその堅守を警戒。薄田周希主将は「組織ディフェンスが徹底されている。そのディフェンスをどう攻略していくかが明日の鍵」と話す。
101日目の花園は、準々決勝から2年ぶりの有観客でおこなわれている。地元の仰星は多くの応援を感じて試合ができた。
楠田も「支えてもらえていると感じた」と話す。そしてこう続けた。
「家族や仰星を支えてくれる方々以外にも、今まで頑張ってきたほかの高校生たちの思いも受け継いで優勝目指して頑張りたい」
多方面への感謝、リスペクトを持ってファイナルに挑む。