ラグビーリパブリック

さぁ、リーグワン開幕だ! 全国各地で熱戦開始、注目選手たちが登場へ。

2022.01.08

写真:上左から山本幸輝(コベルコ神戸スティーラーズ)、ダミアン・マッケンジー(東京サンゴリアス)、レメキ ロマノ ラヴァ(グリーンロケッツ東葛)、吉澤太一(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)、姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)。下左からイズラエル・フォラウ(シャイニングアークス東京ベイ浦安)、ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)、松井千士(横浜キヤノンイーグルス)、武井日向(ブラックラムズ東京)、イシ・ナイサラニ(静岡ブルーレヴズ)。


 日本ラグビー界の新リーグ、「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」がいよいよ始まる。
 1月7日に国立競技場で予定されていた「クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ」は、残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響により中止となったが、リーグに参加する全チームの選手・スタッフを対象にPCR検査を実施し、1月8日から10日までの第1節のほかの試合は開催可能と判断された。待ちに待ったキックオフだ。

 最高グループのディビジョン1は12チームが競う。リーグ戦は全16節で、上位4チームがプレーオフに進む。

 1月8日、オープニングゲームとなるのは、兵庫・神戸ユニバー記念競技場でおこなわれる「コベルコ神戸スティーラーズ vs NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安」

 コベルコ神戸スティーラーズの背番号1をつけるのは、ヤマハ発動機ジュビロ(現・静岡ブルーレヴズ)から移籍した新加入のPR山本幸輝で、HO有田隆平、PR山下裕史とともに、日本代表キャップホルダーがそろったフロントローとなる。
 司令塔の10番を務めるのは加入2年目となる元ニュージーランド代表のアーロン・クルーデン。バックラインには、弱冠20歳ながらバイスキャプテンに任命されたCTB李承信や、日本代表のFB山中亮平などが先発で並ぶ。
 リザーブには、日本代表のPR具智元(前・ホンダ)やLO小瀧尚弘(前・東芝)、同じく新加入のNO8/FLトコキオ ソシセニ(前・豊田自動織機)やSH中嶋大希(前・NEC)などが名を連ねる。

シャイニングアークス東京ベイ浦安のシェーン・ゲイツ(撮影:山口高明)

 シャイニングアークス東京ベイ浦安は、3季ぶりにチームに復帰したロブ・ペニー監督のもとで戦う。
 初戦のスターティングメンバーで最も注目なのは、オーストラリア代表として73キャップを持つ新戦力のイズラエル・フォラウだ。ラグビーリーグ(13人制)、オーストラリアン・フットボール(オージールールズ)、ラグビーユニオン(15人制)と3つの異なる楕円球競技で非凡な才能を見せ、スーパーラグビーで歴代最多トライを記録するなど世界最高のフルバックと呼ばれたフォラウは、2019年にフィールド外で騒動を起こし、しばらくラグビーユニオンから離れていたが、シャイニングアークス東京ベイ浦安の一員となり、約2年9か月ぶりに15人制のプロラグビーでプレーをする。
 ほかには、宗像サニックスブルースから移籍した日本代表LOのジェームス・ムーアが6番で先発となり、昨年日本代表デビューを果たしたCTBシェーン・ゲイツは新キャプテンとしても期待される。10番は、マオリ・オールブラックスの経験がある新加入のオテレ・ブラック。

 東京・味の素スタジアムでは、同じエリアをホームとするチーム同士のダービーマッチ、「東京サントリーサンゴリアス vs 東芝ブレイブルーパス東京」がおこなわれる。

 トップリーグ2021で準優勝に終わった東京サンゴリアスは、ボーデン・バレットという世界最高峰の選手を失ったが、王座奪還へ向け、同じニュージーランド代表で人気が高いダミアン・マッケンジーを獲得した。将来を見据えてスタンドオフに意欲的だと言われる26歳のマッケンジーだが、狭いスペースを切り裂く世界屈指のラインブレイカーを、ミルトン・ヘイグ監督は今回フルバックで起用する。
 また、他国の代表歴がある選手の同時出場が3人まで可能となり、オーストラリア代表のCTBサム・ケレビとNO8ショーン・マクマーンがマッケンジーと一緒に先発するのも注目だ。
 そのほか、2021年日本代表スコッドのHO堀越康介、FL小澤直輝、SH流大、CTB中村亮土もスターターとなり、昨秋のツアーで日本代表デビューし13番をつけた中野将伍は左WTBで先発する。

東芝ブレイブルーパス東京のリーチ マイケル(撮影:松本かおり)

 東芝ブレイブルーパス東京で注目は、昨年、19歳で日本代表デビューを果たしたワーナー・ディアンズだ。流通経済大学付属柏高校を卒業後、ブレイブルーパスの一員となり、同クラブで公式戦出場がないにもかかわらず日本代表に招集されたディアンズは、身長2メートルを超えるサイズが魅力で、スピード、スキルもあり、藤井雄一郎・日本代表ナショナルチームディレクターが「きっとスーパースターになると思う」と言うほどの逸材。1月8日の試合では背番号4をつける。
 そのほか、日本代表の顔としても全国で知られるFLリーチ マイケルや、同じくジャパンでも期待されるNO8徳永祥尭、WTBジョネ・ナイカブラ、ニュージーランド代表経験者のFLマット・トッド、CTBセタ・タマニバルなどが先発する。

 8日には、千葉・柏の葉公園総合競技場では「NECグリーンロケッツ東葛 vs 横浜キヤノンイーグルス」がおこなわれる。

 グリーンロケッツ東葛は開幕直前、新戦力と期待されていたオーストラリア出身の選手(1月2日に契約解除)が違法薬物所持の疑いで逮捕され、チーム内だけでなく日本ラグビー界にとってもショックとなったが、ラグビー競技を通して社会的責任を果たすことが大事と判断し、今季のリーグワン参戦を決断。チーム一丸となって、全力プレーで信頼回復に努める。
 初戦の先発メンバーには、キャプテンのPR瀧澤直をはじめ、新加入した元日本代表のSH田中史朗(前・キヤノン)やCTBティム・ベネット(前・宗像サニックス)などが並び、同じくニューフェイスで日本代表ではWTBとしてプレーするレメキ ロマノ ラヴァ(前・宗像サニックス)は10番をつけて出場することになり、注目される。
 リザーブには、新加入したマオリ・オールブラックス主将のHOアッシュ・ディクソンや元日本代表のWTB児玉健太郎(前・神戸製鋼)などが入る。

横浜キヤノンイーグルスの田村優(Photo: Getty Images)

 横浜キヤノンイーグルスは、日本代表の司令塔でもあるSO田村優がキャプテンを務め、同じくジャパン戦士のHO庭井祐輔、NO8アマナキ・レレイ・マフィも先発。日本代表復帰を目指す新加入のCTB梶村祐介(前・サントリー)にも注目が集まりそうだ。
 ニューフェイスのLOコリー・ヒルは、グリーンロケッツ東葛の5番をつけるジェイク・ボールとはウェールズ代表で一緒にプレーした仲であり、この2人の対決も楽しみである。
 そして、東京オリンピックでセブンズ日本代表のキャプテンを務めた松井千士は約3年ぶりの15人制復帰で、14番をつけて先発する。

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪に加入した南ア代表のエルトン・ヤンチース(Photo: Getty Images)

 9日は、ディビジョン1は2試合が予定され、大阪・ヨドコウ桜スタジアムでは「NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 vs リコーブラックラムズ東京」がおこなわれる。

 NTTドコモレッドハリケーンズ大阪は、昨季、チーム史上初のトップリーグ8強入りに貢献したニュージーランド代表のTJ・ペレナラや南アフリカ代表のマカゾレ・マピンピはいなくなってしまったが、新加入の南アフリカ代表SOエルトン・ヤンチースや、フィジカルモンスターと称されるNO8ナエアタ ルイ(前・神戸製鋼)、元セブンズ日本代表のCTBリサラ シオシファ(前・豊田自動織機)などが期待される。
 そして、昨年末で活動停止となったコカ・コーラレッドスパークスからはセブンズの国際舞台でも活躍した吉澤太一が新加入しており、15番をつけて切れ味鋭いカウンターアタックを披露してくれるに違いない。

 ピーター・ヒューワット新ヘッドコーチのもとで戦うブラックラムズ東京は、加入2季目である24歳のHO武井日向がキャプテンを務める。武井はナショナル・デベロップメント・スコッドメンバーとして昨秋の日本代表合宿に招集されながら、けがで途中離脱しており、リーグワンでアピールしたいところだ。
 新戦力では元スコットランド代表のFLブレア・カーワン、元ジュニア・ジャパンのCTB池田悠希(前・NTTコム)らがスターターとなり、セブンズ日本代表として東京オリンピックに参加したボーク コリン雷神は8番で先発する。

トヨタヴェルブリッツに加入したNZ代表のパトリック・トゥイプロトゥ(Photo: Getty Images)

 そして、日曜日の愛知・豊田スタジアムでは「トヨタヴェルブリッツ vs 静岡ブルーレヴズ」がおこなわれる。

 トヨタヴェルブリッツは、日本代表でもあるバックローの姫野和樹とSH茂野海人が共同キャプテンとしてけん引し、ともに先発する。姫野は昨年、ハイランダーズ(ニュージーランド)に加入してスーパーラグビーで挑戦していたため、さらに成長した姿を2年ぶりの国内リーグで披露したい。
 そして、キアラン・リード(ニュージーランド)、マイケル・フーパー(オーストラリア)という世界的大物が退団したヴェルブリッツだが、新たなビッグネームが加入。南アフリカ代表のFLピーターステフ・デュトイは初戦のメンバーには入らなかったが、ニュージーランド代表のLOパトリック・トゥイプロトゥは先発が決まった。
 そのほか、昨年日本代表に招集されたHO彦坂圭克もスタメンで、2019年のワールドカップで日本代表のベスト8入りに貢献し、コカ・コーラから移籍したウィリアム・トゥポウは15番をつける。
 また、元セブンズ日本代表キャプテンのWTB/FB小澤大がリザーブに名を連ね、久々の15人制で活躍が期待される。

 そして、ヤマハ発動機ジュビロから静岡ブルーレヴズに生まれ変わったチームは、新たな歴史の第一歩となる初戦に、キャプテンのLO大戸裕矢を中心に臨む。
 インターナショナルプレーヤーは少ないが、大戸と同じ日本代表経験者のPR伊藤平一郎、SH矢富勇毅、CTB鹿尾貫太らが先発でチームを引っ張り、リザーブにもテストキャップホルダーのHO日野剛志、FL三村勇飛丸などが名を連ねた。
 新戦力では、2019年のワールドカップでゴールドジャージーの8番をつけたオーストラリア代表のイシ・ナイサラニに期待が集まる。

 ディビジョン2(釜石シーウェイブスRFC、花園近鉄ライナーズ、日野レッドドルフィンズ、マツダスカイアクティブズ広島、三重ホンダヒート、三菱重工相模原ダイナボアーズの6チームが参加)は1月9日にキックオフ。

 ディビジョン3(九州電力キューデンヴォルテクス、クリタウォーターガッシュ昭島、清水建設江東ブルーシャークス、中国電力レッドレグリオンズ、豊田自動織機シャトルズ愛知、宗像サニックスブルースの6チームが参加)は1月15日から始まる予定。

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