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歴史にあらたな1ページ。追手門学院大、初出場で地区対抗大学大会を制す

2022.01.07

9トライと、高い攻撃力を発揮した追手門学院大。(撮影/松本かおり)

追手門学院大は、長いシーズンを笑顔で終えた。(撮影/松本かおり)
前半25分、東北学院大はPR鈴木大雅がトライ。仲間が祝福に駆け寄る。(撮影/松本かおり)



 初出場と6年ぶり27回目出場の伝統校が顔を合わせた頂上決戦は、55-19のスコアで決着がついた。
 1月6日、パロマ瑞穂ラグビー場でおこなわれた第72回全国地区対抗大学大会の決勝で、初めて大会に参加した追手門学院大が優勝した。

 ファイナルスコアは差が開いたものの、東北学院大も持ち味を発揮した。
 HO武山英暉主将を中心に、ピッチ上では常にコミュニケーションの声が出ていた。

 前半は2トライを奪った(14得点。追手門学院大は24得点)。ともにラインアウトからのもので、25分に巧みなモールからPR鈴木大雅がインゴールへ入った。
 40分にはFW、BKが準備したアタックで防御を崩した。WTB荒木田舜がトライラインを越えた。

 追手門学院大は後半の5トライで勝負を決めた。
 特に開始3分、6分と大事な時間帯に奪った2つのトライがチームを勢いづけた。

 3分のNO8友松昂太郎がインゴールに入ったものは、相手のキックを手にして攻撃に転じたところから始まった。
 FL沖佑樹主将が6分に奪ったものはターンオーバーから。両トライとも、攻守の切り替えへの全員の反応が良かった。

 2021年度の関西大学Bリーグで3位。Aリーグとの入替戦への出場の手前にいる。
 そこにある壁をなかなか越えられない。しかし、着実にチーム力を高めている。

 立ってつなぐスタイルを追求してきたことが、この日も勝利を呼んだ。
 思い切ったタテへのランとオフロードパスの組み合わせで勢いある攻撃を実現させた。
 また、ブレイクダウンで上回って相手のテンポを崩し、自分たちの時間を長くした。

 いつもより長いシーズンを過ごし、最後を笑顔で締めくくることができた。沖主将は、「きっと来シーズンの後輩たちの頑張りにつながる」と笑顔だった。

 胴上げで宙を舞った小寺亮太監督も、「選手たちの人生の中で、いつかプラスになる経験」と話した。

「伝統ある大会ですが、最初は存在を知らなかった選手もいました。しかし、大会の歴史を伝えると、しっかりとモチベーションを持って戦ってくれた。勝ってシーズンを終われることや、優勝する経験というのは、人生の中でそう多くあることではないと思います。今回のことが、支えになる日が来ることもあるでしょう」

 試合終了後は記念撮影や胴上げなどが長く続き、歓喜の輪はなかなかとけなかった。
 試合中の曇天はいつのまにか青空に。喜ぶ選手たちをキラキラした西日が照らし、一人ひとりの笑顔をより輝かせていた。


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