ラグビーリパブリック

花園初出場の読谷は昌平との激闘に惜敗 11年連続出場の高鍋は磐城を圧倒

2021.12.28

昌平との試合で力強く突進する読谷のPR桴海ジョシュア泰(撮影:松本かおり)


 1971年創部で初めて全国高校ラグビー大会出場を果たした沖縄の読谷高校は、憧れた“聖地”花園で60分間ひたむきに戦ったが、勝利には一歩届かなかった。12月28日、第101回大会の1回戦で2年連続3回目の出場となった埼玉の昌平高校と対戦し、7-15で敗れた。

 読谷は前半10分にPR桴海ジョシュア泰がチーム初の花園トライゲッターとして名前を刻んだが、それは全員でつかんだチームトライだった。
 はじまりは5分過ぎ、敵陣でのランアウトはスチールされてしまったが、接点のファイトでボールを奪い返し、キャプテンのSO島袋世良が鋭い走りで攻撃に勢いをつける。昌平も激しく、読谷は密集でボールを失いそうになったが、こぼれ球に桴海がすぐさま反応してセービング。その後、FB山原穏聖の好走、サポートプレー、FWの愚直な前進もあって17フェイズを重ね、ゴールに迫り、背番号1の桴海がインゴールにねじ込み全員で歓喜した。
 SO島袋がコンバージョンを決め、読谷は7点を入れた。

 その後も読谷の勢いは続いたが、28分、落球から昌平のカウンターとなり、キャプテンのFB北川拓来が自陣22メートルライン内から抜けて次々とディフェンダーをかわし、80メートル以上を走り切ってトライ。SH鈴木悠真がゴールキックで2点を追加し、7-7の同点で折り返した。

 後半の12分、昌平が塊になってゴールラインを越えるも、読谷は懸命のディフェンスでグラウンディングを許さなかった。14分には読谷のCTB松尾息吹がブレイクスルーでチャンスになりかけたが、昌平のFB北川が勇敢なタックルで止めた。

 その後も互いに譲らない激しい攻防が続いたが、後半19分、スコアを動かしたのは昌平だった。敵陣22メートルラインに迫ると、FB北川がディフェンス裏にキックでボールを転がし、後半途中から出場のWTB平塚和がチェイスに競り勝ってゴールライン上に押さえ、トライが認められた。

 5点を追いかける読谷は後半22分から約2分半、敵陣深くで攻めたが、昌平が懸命の守りで踏ん張った。

 そして、29分、敵陣に入っていた昌平は相手ボールスクラムで押し勝って読谷の反則を引き出し、SH鈴木がペナルティゴールを決め、直後、ノーサイドの笛が鳴った。

 激闘を制した昌平は2回戦に進み、3連覇を狙うAシードの桐蔭学園(神奈川)に挑む。

磐城のディフェンスを破る高鍋のキャプテンWTB横山巧輝(撮影:松本かおり)

 第3グラウンドの昌平×読谷戦と同じ時間帯に第1グラウンドでおこなわれた1回戦最後の試合は、高鍋高校(宮崎)が磐城高校(福島)に45-0で快勝し、2回戦進出となった。

 11年連続29回目出場の高鍋は、序盤から主導権を握った。
 前半2分、ハーフウェイ付近でPKを得ると、SH幸妻怜治がクイックタップで仕掛け、サポートしたPR湯浅大心、キャプテンのWTB横山巧輝が力走、たたみかけて再びボールを手にした体重105キロの3番・湯浅がタックルを破り先制トライを決めた。

 6分には相手のラインアウト失敗からボールを動かし、FL甲斐敬心が左外を振り切ってインゴールに持ち込んだ。17分にはカウンターでWTB横山がディフェンスを切り裂き追加点。テンポの速いラグビーで20分にもチームアタックを完成させた高鍋は、28分にはディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、5トライ目につながった。

 33-0と大きくリードした高鍋は、後半にも2トライを追加。

 一方、10年ぶりの出場で得点して帰りたい磐城は、後半3分に敵陣深くに入ったが、ラインアウトボールをスチールされ、チャンスを逃した。数分後にも攻め込んでゴールに迫ったが、高鍋の堅守を崩すことはできず、反則を犯してしまった。17分にはポスト正面でPKを得たがショットは狙わず、タッチに蹴ってトライを狙いにいったものの、またもラインアウトでプレッシャーをかけられた。

 結局、高鍋は磐城に得点を許さず、快勝で2回戦進出となった。

 高鍋は30日の2回戦で尾道(広島)と対戦する。

Exit mobile version