東大阪市花園ラグビー場で開催されている第101回全国高校ラグビー大会の1回戦（12月28日）で、最多15回の優勝を誇る東北の名門・秋田工業高校と四国王者の松山聖陵高校（愛媛）が対戦し、19－12で松山聖陵が競り勝った。
先制したのは秋田工だった。前半4分、CTB古屋健太朗が敵陣22メートルライン付近でできた密集の横の空いたスペースを抜け、ゴールへ走り切った。SO鈴木颯太のコンバージョンも成功。
しかし、対する松山聖陵はその後しばらく、粘り強いディフェンスで秋田工に追加点を許さず、0－7で迎えた後半3分、SO中村仁がしなやかな走りでチャンスメイクし、パスをもらったWTB亀澤駿介が左隅にトライを決め5点を奪い返した。
松山聖陵はさらに7分、敵陣深くに入ってラインアウトからドライビングモールでゴールラインを割り、逆転に成功する。SO中村のコンバージョンも決まり、12－7となった。
11分に秋田工がラインアウトモールでやり返し、12－12と同点に追いついたが、17分、松山聖陵が連続攻撃でゴールに迫り、ボールを手にしたPR高田凱斗が3人のタックルを受けながらもFL川口真矢のサポートもあってインゴールにねじ込み、勝ち越しトライ。
これが決勝点となり、松山聖陵が歓喜した。
松山聖陵は30日の2回戦でBシードの國學院栃木と対戦する。
15年連続16回目の花園出場となった尾道高校（広島）は、北信越王者の開志国際高校（新潟）を35－5で破り、2回戦進出となった。
尾道は、FWの平均体重99.4キロという開志国際に対し、8人の合計体重は130キロ以上軽いFWパックだったが、スクラムで圧倒した。堅いディフェンスでもリズムを良くし、前半に4連続トライで主導権を握った。
最初のスコアは5分、PR三輪拓翔が抜け、サポートしたLO高森勇吾がインゴールに持ち込んだ。14分にはスクラムからのすばやい攻撃をFL小林幹大がフィニッシュ。19分にはCTB佐藤楓斗、WTB高武大輔が続けて駆け上がり、サポートしたCTB寺田結がトライゲッターとなった。勢いが止まらない尾道はハーフタイム前にも自陣からテンポよく攻め込み、NO8鈴木太登が加点。28－0で折り返した。
尾道は、後半2分にはモールで攻めてペナルティトライを獲得。
大差をつけられた開志国際は終盤にWTB星遥大がインターセプトから約70メートル独走し、5点を奪い返したが、そこまで。
中国地区のチームでは山口県立大津緑洋高校も2回戦進出を決めた。旭川龍谷高校（北北海道）と1回戦でぶつかり、計11トライを挙げて75－10と圧倒した。
SO金高湧人は2トライと10回のコンバージョン成功で30得点。
大津緑洋は前半5分、PR中島怜志が中央を突破し、サポートしたHO宮本偉申がゴールに持ち込み先制した。宮本は7分にも連続攻撃をフィニッシュ。18分にはFB増田琉斗がディフェンスを破り、オフロードパスをもらったFL古谷弘太郎がトライを決めた。大津緑洋ペースは続き、21分には10番をつける2年生のSO金高が鋭い走りで得点を重ね、26－0となった。
流れを変えたい旭川龍谷は24分、敵陣22メートルラインでのフリーキックから攻め、HO水口遥太が意表を突いてディフェンス裏にボールを蹴り、反応したキャプテンのWTB能祖旺佑がトライを挙げた。
旭川龍谷はさらに29分、PKからの速攻でボールを動かし、WTB風張祐希の力強い走りでゴールに迫ると、最後はPR佐野凰惺が突っ込んでトライが認められ、16点差に詰めて折り返した。
しかし、後半は大津緑洋のワンサイドゲームとなる。
開始早々にCTB木村拓翔、FB増田と快走が続いてノーホイッスルで得点すると、リスタートのキックオフボールをPR中島が確保してアタックに火がつき、FL古谷、NO8山根龍法とサポートがしっかりついて連続トライとなった。4分にはキックをチェイスしたCTB木村が相手にプレッシャーをかけてボールを奪い返し、ゴールへ独走。大津緑洋はその後、4トライを追加し、大勝で2回戦進出となった。
大津緑洋は次、Bシードの流経大柏（千葉）に挑む。