全国高校ラグビー大会の常連校である山梨県の日川高校(16年連続51回目の出場)と岐阜県の関商工高校(4年連続41回目の出場)が12月28日、第101回大会の1回戦で激突し、47-29で日川が制した。
序盤にペースをつかんだのは関商工だった。前半4分、敵陣深くでのラインアウト後、ボールを手にしたHO澤村源太がブラインドサイドを突いてインゴール右隅に押さえた。12分には主将のCTB小澤壱颯がキックパスを放つと、捕球したWTB苅谷匠都が次々とディフェンダーをかわし、トライを挙げた。
しかし日川は24分、連続攻撃で敵陣深くに入ってCTB岩間永祐が切り込み、オフロードパスを受けた主将のCTB後藤天真がフィニッシュして得点。26分にはチーム一の俊足であるWTB三富翔之介が自陣から駆け上がって左外を振り切り、コンバージョン連続成功で逆転した。
後半最初に得点したのは日川で、1分、ゴール前のスクラムからボールを動かし、WTB中村瑛太が抜けてトライを決めた。4分にはパワフルなCTB岩間のビッグゲインでチャンスとなり、すばやいリサイクル後、FB遠山昭勝がフィニッシュ。勢いに乗った日川は10分にもWTB中村のチャンスメイクからSH飯沼暖が得点し、12分にはLO日原慶和の力走からCTB後藤のトライにつながり、42-12と点差を広げた。
その後、関商工がWTB苅谷の快走とCTB小澤のトライで18点差まで詰めたが、日川は27分にWTB中村のオフロードからCTB後藤のビッグゲインでチャンスとなり、FB遠山がトライを決めて突き放した。
逆転は難しくなった関商工だが、最後にターンオーバーからゴールを目指し、キャプテンCTB小澤のトライで花園での挑戦を締めくくった。
勝った日川は2回戦でBシードの長崎北陽台と対戦する。
3年連続3回目の花園出場となった青森山田高校は、三重県10連覇の朝明高校を38-17で破り、2回戦進出を決めた。
青森山田は前半2分、敵陣22メートルライン付近の攻防から大きくボールを振り、WTB大方維織が左外を抜けて先制した。10分には敵陣深くでPKを得るとタップから速攻でFBフィリモネ・サイアがトライゲッターとなった。
一方の朝明は13分、ラインアウトモールからHO河村皆央が持ち出してインゴールに押さえ、トライが認められた。FB内山陸のコンバージョン成功で7点差とした。
しかし青森山田は20分、カウンターラックでターンオーバーすると、FBサイアが広いスペースへキックを放ち、これをチェイスしたWTB郡司啓輝がインゴールに持ち込み、流れを呼び戻した。25分にも攻め込んでCTB小澤龍太郎がトライを決め、26-7で折り返した。
後半、最初に朝明がドライビングモールでゴールラインを割り、FB内山のコンバージョンとペナルティゴール成功で9点差に詰められた青森山田だったが、15分、敵陣22メートルライン内でPKを得ると、タップから速攻、SO伊藤和樹がキックを使った個人技でトライを挙げ、31-17とした。共同キャプテンのひとりであるSO伊藤は、その2分後には鮮やかな走りでディフェンスを切り裂き、連続トライで勝利を引き寄せた。
青森山田は2回戦でBシードの御所実業(奈良)と対戦する。
10回目の花園出場となった飯田高校(長野)は隣県の富山第一高校と対戦し、31-8で1回戦突破となった。
飯田は前半16分に先制した。相手のゴールラインドロップアウトからボールを手にして攻め続け、ゴールに迫るとモールを作って押し込んだ。さらに22分にもWTB市瀬幸太郎の好走で敵陣深くに入り、再びモールを組んでドライブし追加点を挙げた。
12-3で折り返した飯田は後半5分、敵陣深くでCTB熊谷天翔がディフェンスでプレッシャーをかけて相手に落球させ、それを拾ったCTB棚田祥乃介がゴールラインを割り、点差を広げた。
一方、前半にCTB和田啓太のペナルティゴールで得点していた富山第一は、後半26分、ゴール前でFWが勝負したあとボールを大きく振り、左WTB若林陽平がトライを決めて歓喜する。
しかし、飯田はリスタート後、敵陣深くでディフェンスプレッシャーをかけてボールを奪い返し、WTB市瀬が5点を追加しリードを拡大。試合終了間際にはSO新井晟仁がキック&チェイスでトライを挙げ、締めくくった。
勝った飯田は2回戦で目黒学院(東京第2)と対戦する。