2009年創部で花園初出場となった専修大学玉名高校(熊本)が新たな歴史を刻んだ。2021年12月28日、「第101回全国高校ラグビー大会」の1回戦で6年連続33回目出場の若狭東高校(福井)と対戦し、35-12で初勝利をつかんだ。
記念すべき最初のトライは前半5分だった。専大玉名は敵陣深くでPKを得ると、FWリーダーのPR小川慧士が突進してダブルタックルを破り、インゴールに押さえた。コンバージョンキックはCTB中村元翔が決め、7-0とした。
前半、敵陣でプレーする時間が多かった専大玉名は20分にもゴールに迫り、FWがタテを突いたあとボールを動かし、主将のCTB竹下空咲陽がフィニッシャーとなった。
対する若狭東は24分、身長159センチの小柄なCTB橋本ルイが敵陣10メートルライン付近でボールをもらうと、鋭く急カーブで曲がる線を描いてディフェンスを破り、鮮やかなトライを決めた。
しかし、専大玉名は30分、ラインアウトからの攻撃でCTB中村元翔が抜け、そのまま走り切り再び点差を広げる。
後半8分には、ラインアウトから力強いドライビングモールで押し切り、28-5とした。
それでも、若狭東も粘り、11分、敵陣22メートルライン内でPKを得ると、速攻でゴールに迫り、FWがパワープレーでトライを奪った。
しかし14分、専大玉名がまたもラインアウトからのモールで加点し、勝負を決めた。
初出場初勝利を飾った専大玉名は、30日の2回戦で優勝候補の東福岡に挑む。
28日の花園第1グラウンド第1試合では札幌山の手高校(南北海道)と黒沢尻北高校(岩手)が激突し、36-10で札幌山の手が制した。
札幌山の手は前半4分、ゴールに迫ってパワープレーを挑み、HO山本陽生が突っ込み先制トライを挙げた。12分にはラインアウトからの攻撃でSOステファン・ヴァハフォラウが抜け、力強い走りでそのままゴールに持ち込んだ。札幌山の手は28分にも敵陣深くに入り、CTB仲野優輝がタックルを次々と破ってトライ。ハーフタイム前にはBK展開でチャンスを作り、WTB熊谷歩己がフィニッシュした。そして、FB塩川善之亮がゴールキックで得点を重ね、26-0で折り返した。
一方の黒沢尻北は後半5分、敵陣深くに入り、ラインアウトからモールで一気に押し込み5点を奪い返す。相手にイエローカードが出て数的有利となった22分には、FWが近場を突いてゴールに迫り、最後はNO8伊藤和希がパワーでインゴールにねじ込んだ。
しかし、26-10と点差を詰められた札幌山の手は、リスタートのキックオフでボールを確保し、展開、WTB石崎陽大が右外を振り切り、リードを広げた。札幌山の手は試合終了間際にもトライを取り切り、1回戦突破となった。
札幌山の手は2回戦でBシードの大阪桐蔭と対戦する。
東京の名門校である目黒学院高校は1回戦で山形中央高校と対戦し、40-3で快勝した。
目黒学院の最初のスコアは前半4分。BK展開からゴールに迫り、最後はWTBイライシア・サーフがインゴールに押さえ先制した。
対する山形中央は16分、FB米田恭祐がペナルティゴールで3点を入れた。山形中央はこの試合、粘り強いディフェンスでも強豪に食らいついた。
しかし、徐々に点差を広げて19-3で折り返した目黒学院は、後半4分、敵陣22メートルライン内に入ると、走り込んできたFLシオネ・ポルテレがパワフルにディフェンスを破り、トライを決めた。9分にも攻め込んだ目黒学院はテンポよくボールを回してオフロードでつなぎ、主将のCTB新澤迅太がフィニッシュ。前半に2トライを決めていたSH林星安はゴールキッカーとしても優れ、コンバージョンで得点を重ね33-3となった。
意地を見せたい山形中央は15分、前半から鋭い走りを見せていたWTB森本大介が自陣22メートルライン内でインターセプトし、ビッグゲイン。しかし、ゴール前で目黒学院のWTBサーフが追いつき、トライを許さなかった。
終盤には目黒学院が1トライを追加し、山形中央を下した。