過去準優勝3度の東海大が、頑健なセットプレーを基盤にした強さで慶大を倒し準決勝に駒を進めた。12月26日、熊谷ラグビー場で大学選手権準々決勝のうち2試合が行われ、第2試合では、東海大が27-12で慶大を破った。
東海大が、難敵を退けてまた山を一つ越えた。リーグ戦1位の東海大は、この日が大学選手権初戦だった。東海大・木村季由監督は、シード校の難しさも感じながら準備にかかってきたことを試合後に明かした。
「リーグ戦から1か月あいて準備ができるので、コンディション的にはいい状態。一方で試合から離れるのでゲーム勘が鈍らないよう意識もしてきた。慶應のアグレッシブなプレーや、タックルで前に出る意識の高さも、選手と共有してきました」
1か月の間、取り組んできたのは主にディフェンスだ。ポジショニングから個々のタックルスキルまで「かなり追い込んだ練習も積んできた」(木村監督)。東海24-12慶應で迎えた後半には、その成果がはっきり表れていた。
3トライを奪って迎えた後半は、東海にとって我慢の時間帯だった。次々とアタックの札を切ってくる慶應を向こうに失点を許さなかった。
4年生のCTB丸山凜太郎をケガで欠いたBKで、司令塔を務めた武藤ゆらぎは「この1か月、一人でもSOとしてチームを勝たせることができるように練習してきた。それまでは凜太郎さんに頼ってきた部分もあった」と振り返る。武藤もチームも試練を一つ乗り越えた。
東海27-12慶應。慶應は、後半早々にPGを決められて背負った15点差を最後まで詰められなかった。2トライ2ゴールでも届かない点差のまま、残り時間がじりじりと減っていく。プレッシャーの中で、十分なプレーの精度を保つことができなくなった。
「後半(風上)は攻撃機会が増えるだろうことは予想をしていました」と慶應の栗原徹監督。
ゲームを通し、プランを持って、準備したアタックを仕掛けたが、スコアはできなかった。
原田衛主将は、相手のディフェンスのプレッシャー、強さについて次のように話した。
「後半は敵陣でプレーする機会もつかめたが、精度が低くて、一発で取り切ることができませんでした」
慶應は栗原監督3季目を終えた。戦績は昨年と同じベスト8となった。