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帝京大が4季ぶりの大学日本一へ向け前進 準々決勝で同志社大を圧倒

2021.12.26

FW・BKともアグレッシブだった帝京大。LO江里口真弘も奮闘した(撮影:松本かおり)


 4季ぶり10回目の大学日本一を目指す帝京大学(関東大学対抗戦Aグループ 1位)が、頂上へ向けて一歩前進した。東京・秩父宮ラグビー場で12月26日、第58回全国大学ラグビー選手権大会の準々決勝として同志社大学(関西大学Aリーグ 4位)と対戦し、計12トライの猛攻で76-24と圧倒した。

 帝京は最初のチャンスから確実にものにした。前半2分に敵陣深くに入ると、ラインアウトからモールで押し込みLO青木恵斗が先制トライを挙げた。7分にも同様に赤いジャージーが塊となってドライブし、持ち出したHO江良颯がスピンでディフェンダーをかわし5点を追加。13分にはゴール前の連続攻撃をFB谷中樹平がフィニッシュし、主導権を握った。

先制トライを決めた帝京大の1年生LO青木恵斗(撮影:松本かおり)

 その後、ディフェンスでも流れを良くした帝京は、18分にも得点する。ハーフウェイ付近のラインアウトからのムーブで副将のCTB押川敦治が抜けると、サポートもしっかりついて、WTB高本とむがトライゲッターとなった。

 帝京のペースは続き、20分にはFB谷中がカウンターで抜け、見事なボディコントロールと軽快なステップワーク、そして強靭な足腰で50メートル超のランを自らフィニッシュした。

 24分には同志社がフェイズを重ねて敵陣22メートルライン内に入ったが、赤いジャージーの15番・谷中がパスカット、帝京は攻めに転じてWTB白國亮大が大きくゲインし、最後はパスダミーから切り込んだSH李錦寿をPR照内寿明がサポートしてトライを挙げた。そして、SO高本幹也が確実にコンバージョンで得点を重ね、40-0と大きくリードした。

 一方、伝統校の意地を見せたい同志社は36分、帝京の堅守に対してゴール前で17フェイズを重ね、SO嘉納一千がキックパス、左外の和田悠一郎につながり、トライを奪い返した。

共同主将のひとりとして同志社大をけん引したSH田村魁世(撮影:松本かおり)

 しかし、前半最後にトライで締めくくったのは帝京で、45-5で折り返しとなった。

 帝京は大差がついた後半、同志社に3トライを許したものの、NO8奥井章仁が力強い走りでハットトリックを決めるなど攻撃力を見せつけ、大勝となった。

 敗れた同志社大のLO南光希主将は、「帝京と戦うために、アタック、ディフェンスとも準備してきたこともあったが、それを出せなかった。そこに力の差がある。深く、広いアタックに組織的なディフェンスで対応できなかった」と完敗を認めた。

 一方、帝京大のゲームキャプテンを務めたFL上山黎也は、「自分たちにとっては大学選手権の初戦。1年間積み上げてきたものを出そう、と言って戦った」と振り返った。

 2季連続で4強入りとなった帝京大は、1月2日に国立競技場でおこなわれる準決勝で関西王者の京都産業大と対戦する。

巧みにプレーメイクする帝京大のSO高本幹也(撮影:松本かおり)
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