ラグビーリパブリック

関西王者・京産大が日大との激闘に逆転1点差勝利 15季ぶりに全国4強入り

2021.12.26

運動量で相手を上回った京産大。突破を狙うCTB堀田礼恩(撮影:大泉謙也)


 第58回全国大学ラグビー選手権大会は12月26日に準々決勝がおこなわれ、埼玉・熊谷ラグビー場の第1試合には23年ぶりに関西大学Aリーグを制した京都産業大学が登場。日本大学(関東大学リーグ戦1部 2位)と対戦し、27-26で熱闘を制した。京産大が全国大学選手権でベスト4入りするのは2006年度の第43回大会以来、15シーズンぶり。

 接戦となった。
 序盤にペースをつかんだのは京産大だった。前半9分、WTB船曳涼太が軽快なステップで相手を翻弄し、切り込んでCTB堀田礼恩にオフロードでつなぎチャンスとなると、すばやいリサイクルから、再びボールを手にした船曳がインゴール右隅に飛び込み、先制トライが決まった。
 京産大は19分にも敵陣22メートルライン内に入ると、共同キャプテンのひとりであるSH廣田瞬が強気にギャップを突いてゴールへ走り抜け、追加点となった。

 一方、12点ビハインドとなった日大は27分、敵陣深くに入り、ブレイクダウン後、ボールを持ち出したSH前川李蘭が無人のショートサイドを突いてそのまま走り切り、左隅にダイブ。強風のなか、前川はタッチライン近くからのコンバージョンも決め、7点を奪い返した。

 しかし、日大にとって痛かったのは31分だ。NO8シオネ・ハラシリやFB普久原琉の好走後、オフロードで次々とつなぎ、FL井上風雅がインゴールに入ったが、京産大のWTB船曳が必死に食らいついてボールをはたき、トライを許さなかった。

WTB船曳涼太。先制トライのランだけではなく、しつこいディフェンスでも魅せた。相手のインゴールノックオンを誘うタックル(撮影:大泉謙也)

 ハーフタイム前には京産大のFB竹下拓己がペナルティゴール(PG)で3点を追加し、15-7で折り返した。

 京産大は後半の入りもよく、竹下のPG連続成功でリードを拡大。

 それでも、日大も意地を見せ、50分(後半10分)に敵陣深くに入ると、ラインアウトから得意のドライビングモールでトライを獲得。SH前川のコンバージョンも決まり、7点差に詰めた。
 活気づいた日大は55分にも敵陣深くで相手にプレッシャーをかけてFL井上がターンオーバー。再びチャンスとなり、ラインアウトからモールを組んだあと、背番号6の井上が持ち出して突進し、連続トライで2点差となった。
 日大の勢いは止まらず、59分にも敵陣でのラインアウトから攻め、ボールを動かすと、FB普久原が突破してオフロードでWTB水間夢翔につなぎ、逆転トライが生まれた。SH前川がブーツで貴重な2点を追加し、5点リードとなる。

 しかし、京産大はあわてず、64分にPGで24-26とすると、74分にはフォワードがスクラムで奮闘し、PGチャンスを獲得。FB竹下がショットを決め、27-26と逆転した。

 その後、京産大はディフェンスでプレッシャーをかけ続け、1点リードを守り切り、歓喜となった。

京産大のキッカー竹下拓己。ノーミスの5PGでチームに勝利をもたらした(撮影:大泉謙也)
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