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目標のための「がまん」。クボタのルアン・ボタ、いつの日か日本代表へ。

2021.12.25

クボタのルアン・ボタ。昨季はチーム初のトップリーグ4強入りに貢献した(撮影:松本かおり)


 ピーター・ラブスカフニが日本代表の主将になった。仲間のひとりがその報せに喜ぶ。

「彼はハードワークしてきた。(この報せは)すごく嬉しいです」

 ルアン・ボタ。「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」に加盟するクボタスピアーズ船橋・東京ベイの仲間で、南アフリカ出身なのも通称ラピースと同じだ。

 娯楽性の高いミニゲーム形式の練習でも全力を出す、普段の振る舞いが生真面目に映るあまり周りに茶化されている、といった周囲のラピース評を踏まえ、3歳年上のオープンサイドFLについて語った。

「ラピースは(クボタの海外出身者からも)リーダーと見られているはずです。再三、申し上げれば、一番ハードワークしている。コンタクトのない設定でおこなう練習でも、球に、タックルしてきます! そして、ラグビーから離れた時はジェントルマンです」
 
 ボタは身長205センチ、体重120キロの29歳。長身選手のひしめくLOのポジションにあっても大きく、自立して密集を作るモールで芯となり、相手のキックへの圧力、向こうの走者をつかみ上げるチョークタックルでも光る。

 2018年に来日した。2019年にはイングランドのロンドン・アイリッシュに在籍し、2020年のトップリーグ中断後には第2子のライアン君の誕生を見届けるべく帰国している。それでも継続居住期間(2022年1月以降は5年以上)などの資格取得条件をクリアし、日本代表入りに挑みたいと話す。

「日本のパスポートも欲しいと思っていますから。日本代表入りは大きな夢で、目標です」

 そのため、オフの帰省は2か月程度にとどめた。ルーツを持たない国で代表になりたい選手は、ファーストキャップを得るまでの間、1年あたりの帰国可能日数を制限される。国際統括団体のワールドラグビーがそう決めている。

 ボタはこうだ。

「本来は、次の2023年のワールドカップまでに入りたかったです。それは(現実的に)難しいのかもしれません。個人的には現行のルールは変わって欲しいとも思います。ただ、がまんしなければいけません」

写真中央がルアン・ボタ。12月24日、東京サントリーサンゴリアスとの練習試合に出場(撮影:見明亨徳)

 コントロールできない事案と向き合っているパワーハウスは、12月24日、ホストゲームで使う東京・江戸川区陸上競技場でプレー。昨季のトップリーグで準優勝したサントリーとの練習試合で、4番をつけていた。体格を活かし、チョークタックルを連発する。

 チームの反則がかさんで100分を通算して33-63と敗れるも、7番をつけたラブスカフニは「各選手とも調子を上げようとしていて、お互い助け合っている」。2022年1月7日、東京・国立競技場でのリーグワン初年度開幕戦ではパナソニックと戦う。

 サントリーと同様に日本代表経験者を多く揃える強豪へ、日本代表を目指すボタが怪力で立ち向かう。

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