12月18日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた第58回全国大学ラグビー選手権大会の4回戦、20点ビハインドから一度はゲームをひっくり返した大東文化大学(関東大学リーグ戦1部 3位)だが、最後に勝ったのは同志社大学(関西大学Aリーグ 4位)だった。熱闘は31-29でノーサイドとなった。
序盤を支配したのは同志社だった。
前半8分、ラインアウトからモールで押し込み先制すると、13分にも敵陣深くに入って攻め込み、右へボールを動かしWTB大森広太郎がファイブポインターとなった。17分にはFB山口楓斗が軽快なステップと好走でチャンスを作り、すばやいリサイクルからテンポよくボールをつなぎ、今度はWTB和田悠一郎がフィニッシャーとなった。同志社は大東文化にプレッシャーをかけ続け、23分にもドライビングモールでゴールラインを割り、20-0とリードを広げる。
流れを変えたい大東文化は25分、ようやく敵陣深くに入り、最後はパワフルなLO塩見成梧がタックラーを弾き飛ばしてインゴールにねじ込み、トライが認められた。さらに、32分にはCTB戸野部謙が敵陣10メートルライン手前から抜けてそのままゴールへ走り切り、8点差に詰めて折り返した。
後半最初に得点したのは大東文化で、52分(後半12分)にゴールに迫ると、パワフルなNO8リサラ・キシナ・フィナウがタックルを2つ外してトライを決めた。その後、同志社にペナルティゴール(PG)で6点差とされた大東文化だったが、65分には敵陣深くで相手にプレッシャーをかけてボールを奪い返し、PR松山青が突進してトライゲッターとなった。CTB戸野部のコンバージョン成功で逆転する。
しかし、同志社は69分にSO嘉納一千がPGを決めて再びリードを奪うと、77分には敵陣22メートルライン内で13フェイズを重ねてWTB大森がフィニッシュし、31-24とした。
それでも、大東文化は試合終了間際、逃げ切りを図った同志社からボールを奪い返して執念を見せる。PKを得て敵陣深くのラインアウトへと移り、ドライビングモールにバックスも加わってトライを獲得。コンバージョンが決まって同点となれば、トライ後のゴール数が多い大東文化が次戦進出となるところだったが、強風のなか、タッチライン近くの厳しい角度から蹴ることになった戸野部のコンバージョンキックは外れ、大東文化大は惜しくも敗退となった。
勝った同志社大は、26日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる準々決勝で帝京大学(関東大学対抗戦Aグループ 1位)と対戦する。同志社は前回大会、新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されたため出場を辞退しており、そのとき対戦できなかった帝京大とぶつかることになった。