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12月27日開幕! 高校生ラガーたちの熱き戦い、全国高校大会『花園』展望。【J SPORTSで全試合生中継&LIVE配信!】

2021.12.17

東福岡の10番を背負うSO楢本幹志朗。多彩なスキルで戦力充実のチームをコントロールする(撮影/長尾亜紀)

高校ラグビー日本一の座を争う全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称『花園』が、12月27日に東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。大会は各都道府県予選を勝ち抜いた代表51校(北海道と東京は2校、大阪は3校)が参加し、トーナメント方式で実施。1月8日の決勝で勝利したチームが、優勝旗『飛球の旗』を手にする。昨年第100回の歴史的節目を迎え、次なる100年へ向けた新たな一歩目となる今回の大会を展望してみたい。

戦力充実の東福岡が優勝候補筆頭。

3連覇狙う桐蔭学園も可能性は十分

今季ここまでの戦績から優勝候補筆頭と目されているのは、歴代4位タイの6回の優勝を誇る東福岡(福岡)だ。昨シーズンのレギュラーが多く残った今年のチームは発足当初から頭ひとつ抜けた力を誇示し、3月の全国選抜大会は準決勝で東海大仰星を46-17、決勝で桐蔭学園を46-31と破って優勝。平均体重100キロ近い重量FWを軸にフィジカルバトルで相手を圧倒し、今季の覇権争いを牽引する存在であることを強く印象づけた。

藤田雄一郎監督が「率先して痛いプレーをする選手が多い」と評するように、FWはキャプテンのFL八尋祥吾をはじめ接点で厳しく体を張れるハードワーカーがそろい、選手層の厚さも全国随一。BKでは前回大会からのレギュラーであるSO楢本幹志朗とCTB平翔太の存在が光る。大会前の練習試合でも全国区の強豪を相手に連勝しており、盤石の歩みで5年ぶりの覇権奪回に挑む。

昨冬の花園で1年生ながら7トライを挙げる活躍で優勝に貢献した桐蔭学園FB矢崎由高(撮影/井田新輔)

その東福岡とともにAシードに選出されたのが、桐蔭学園(神奈川)と東海大仰星(大阪)の2校だ。昨季花園連覇の偉業を達成した桐蔭学園は、コロナ禍で県新人大会、関東新人大会が中止になり、今シーズン初の公式戦が全国選抜大会という厳しい状況ながら、京都成章、天理、大阪桐蔭と近畿大会の上位校を連破して決勝に進出。最後は東福岡に屈したものの、今年も頂点を争うチームであることを証明した。6月の関東大会は初戦で流経大柏に黒星を喫し、夏合宿でも東福岡に21-43で敗れるなど苦しい時期もあったが、花園予選決勝では地力のある東海大相模に22-9で勝利。花園に向けピークを合わせてくる仕上げのうまさには定評があり、過去2年のように本番で試合を重ねながら戦い方を研ぎ澄ますことができれば、3季連続の戴冠も十分可能性はある。

セブンズ制し勢いに乗る東海大仰星。

Bシードは近畿勢が強力

東海大仰星FL春名海輝。抜群の運動量とボールセンスでチームを勢いづける(撮影/新屋敷こずえ)

東海大仰星はシーズン当初から東福岡にもっとも近い存在と実力を評価されてきた。2月の近畿大会は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から準決勝と順位決定戦を辞退し、実戦経験が少ない状態で春の全国選抜大会を迎えたが、前評判通りの力を発揮してベスト4に進出。東福岡との準決勝も最終スコアこそ17-46と開いたものの、前半は14-12とリードしての折り返しで、点差以上に拮抗した内容だった。夏の全国7人制大会では準決勝で東福岡に雪辱して優勝を果たしており、成功体験を持って冬の決戦に臨める点は大きなプラス材料。昨年度の花園では優勝候補に挙げられながら準々決勝で東福岡と引き分け、抽選で次戦に進めなかった悔しさを味わっているだけに、今大会にかける意気込みは強いはずだ。

Bシードの10校も実力者ぞろいだ。中でもAシード校に匹敵する存在と目されるのが近畿勢で、昨季初の花園決勝進出を果たした京都成章(京都)、全国選抜大会ベスト4の大阪桐蔭(大阪)、近畿大会王者の常翔学園(大阪)、県予選で強豪天理に完勝した御所実業(奈良)と、流れをつかめばどの相手をも上回れるポテンシャルを備えたチームが並ぶ。選抜大会で東海大仰星と互角の勝負を演じた石見智翠館(島根)、確固たる戦い方の型を持つ佐賀工業(佐賀)、要所に全国トップ級の逸材を擁する長崎北陽台(長崎)も、上位争いに絡んでくるだろう。

昨季初めて決勝へ進出した京都成章も有力な候補だ(撮影/井沢雄一郎)

関東勢では6月の関東大会を制した國學院栃木(栃木)が堅守を軸に順調な仕上がりを見せている。東京都予選を圧勝した國學院久我山(東京)は平均体重103㌔と強豪大学並みの超大型FWを誇り、勢いに乗った時の破壊力は脅威。前回大会8強の流通経済大柏(千葉)もスケールが大きく、大会に入ってからの成長が楽しみなチームだ。

1回戦から注目カード目白押し。

熱き魂のぶつかり合いは必見

関東大会優勝の國學院栃木。夏のセブンズでもファイナリストとなった(撮影/福島宏治)

ノーシード勢で注目されるのは、BKにキラ星のごとく逸材がひしめく報徳学園(兵庫)。歴代最多15度の優勝回数を誇る名門、秋田工業(秋田)、前回大会で初めてベスト8入りした東海地区の雄、中部大春日丘(愛知)、個の爆発力が際立つ目黒学院(東京)も、上位進出の可能性を秘めた実力者だ。倉敷(岡山)、専大玉名(熊本)、読谷(沖縄)の初出場3校がどんな戦いを見せるかも興味深い。

組み合わせを見ていくと、1回戦から楽しみなカードが目白押しとなった。12月27日の第2グラウンドオープニングマッチの報徳学園-茗溪学園(茨城)戦はいきなりの大一番で、東北新人大会優勝の秋田工業と四国大会王者の松山聖陵(愛媛)も熱戦が期待される好カード。シードの13校は2回戦からの登場で、順調に勝ち上がれば1月1日の3回戦でBシード同士の激突が見られることになる。

3年生にとっては高校生活の集大成の大会で、敗れればそれが現在のチームでプレーする最後のゲームとなる。そんな切実さと緊迫感が花園の魅力であり、仮にどれだけスコアが開く展開になったとしても、戦いは最後まで熱を帯びる。高校生たちの魂のぶつかり合いを、ぜひ存分に堪能してほしい。

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