ラグビーリパブリック

臨時カフェ店主が夜10時に豆追加。リーチ マイケル、「次の(日本)代表でバリスタ賞を」。

2021.12.13

コーヒーのトークイベントで。左からリーチ マイケル、坂尾篤史さん、庭井祐輔(撮影:向 風見也)


 ラテアートを作るのにはニュージーランドの牛乳よりも日本のそれの方が適している。同じ豆を使うのでも、その場の気候や作り手の腕によって味が変わる…。ラグビー日本代表のリーチ マイケルが、さながら専門家の風情でコーヒー愛を語る。

「社会に出た時に、ニュージーランドの選手がコーヒーの席でラグビーや人生の話をしていて。そこから興味を持って、もっとおいしいコーヒーを出したいと思って、はまってから10年ぐらいになっています」

 12月12日、東京の三菱ビル内のイベントスペースでトークイベントに出た。日本代表屈指のコーヒー通で鳴らす庭井祐輔、カフェ経営者の坂尾篤史さん(株式会社ONIBUS代表)と同席する。

 この日までの5日間、丸の内で「SIXTY FOUR×丸の内15丁目PROJECT. Produced by リーチ マイケル」というコーヒー店を期間限定でオープン。連日、大盛況で、最終日はリーチと親交のある代表経験者もプライベートで行列に並んでいた。リーチは言う。

「思ったより豆の減り方が早くて。(最終日の前日に)夜10時に急遽、20キロ、足してここまできました」

 庭井がコーヒーにはまったのも、リーチの存在がきっかけだった。庭井は2017年から、国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦していたサンウルブズへ在籍。翌18年に契約したリーチが都内のチーム拠点へコーヒーマシンを持ち込んだことで、その奥深さに触れたという。

「はじめてエスプレッソマシンを触りまして。最初に自分で作った時はめちゃめちゃまずかったんですが、リーチさんに淹れてもらったら『こんなにおいしいコーヒーがあるんだ』と。それ以来、はまりまして。いまは自分のスキル自体も、好きさ加減もリーチさん超えてるんじゃないかと思っています!」

 以後は遠征のたびに現地のカフェを軒先から覗き、使っているコーヒーマシンのメーカーを確認してから入店するようになった。バスの車窓からカフェを確認した時も、「お、××」と、目にしたマシンの銘柄を独り言ちる。

 最近では、10万円相当の大掛かりなエスプレッソマシンを買う選手が周りに増えているようだ。

 リーチは、元ニュージーランド代表でクボタへ加入3季目のライアン・クロッティからもマシンの情報を求められるそう。イベント後の囲み取材では、今年の日本代表へ参加した選手でマシンを購入したか、入手を検討するメンバーの名を挙げる。

「(ジェームス・)ムーア選手、姫野、(シェーン・)ゲイツも買った。ベン・ガンターやクレイグ・ミラーも買うと話しています」

 イベントでは、リーチの気遣いが見られる場面もあった。

 別なトークイベントで、日本代表の姫野和樹のラテアートが発展途上である旨を発言していた。その内容が拡散されたのを受ける形で、リーチは「(姫野は)最初の頃は本当にダメでしたが、すごく上手になっています」と強調していた。

「僕が言って(イベントで発言して)から、インスタに載ること(姫野のコーヒーの投稿)がなくなった。気にしているのかなと思います」

 国内のジャパンラグビーリーグワンは1月7日に開幕。東芝ブレイブルーパス東京所属のリーチ、横浜キヤノンイーグルス所属の庭井とも、13日以降にチームに合流するようだ。リーチは締める。

「僕も、調子が戻ってきた。東芝は全チームに対してチャレンジャー。そのメンタリティでやっていきたい。その裏でコーヒーの勉強もして、次の代表(活動)では断トツでバリスタ賞を獲りたいと思います」

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