ラグビーリパブリック

関西学院大、摂南大が「A」の意地見せる。入替戦で大体大、龍谷大を大差で破る

2021.12.12

関学がWTB加藤匠朗のトライを祝福(撮影:前島進)

 関西大学A・Bリーグの入替戦が宝が池球技場で12月11日におこなわれ、Aリーグ8位の関西学院大、同7位の摂南大がそれぞれBリーグ1位の大体大、同2位の龍谷大を破り、Aリーグ残留を決めた。

 1試合目では、6季ぶりの入替戦出場となった関学が大体大から7トライを奪い、48―17で圧倒した。入替戦がおこなわれなかった昨季が降格1年目だった大体大にとって、2年ぶりの昇格に期するものがあったが、中谷誠監督は「完敗です」と肩を落とした。

 序盤から関学が掲げるムービングラグビーがさく裂した。自陣から展開し、WTB加藤匠朗が2度に渡り大きくゲイン。最後はラインアウトモールでLO藤井崇弘がインゴールに入った。

 続く12分にはWTB加藤が今度は自らトライを挙げる。4分後にモールから1トライを返されるも、24分にLO藤井が再びトライを奪いリードを保った。その後、スコアはできなかったが、前半終了間際に相手の強みとするスクラムでペナルティを奪い、さらに勢いづいた。

 19―5で迎えた後半も関学が優位に立つ。10分、PGで17点差とすると、直後に再びスクラムでペナルティを奪った。そして15分、22分とFW、BK一体となったアタックで崩し切り、36―5までリードを広げて安全圏に入った。

 大体大は終盤にキックオフからチャンスを作り2トライを挙げるも、追撃とはならず。48―17でノーサイドの笛が鳴った。

 関学の小樋山樹監督は「すごいプレッシャーと戦っていた中で、4年生中心に体を張ってくれた」と選手たちをねぎらった。

 リーグ戦最終節で優勝した京産大にディフェンスで引かなかったことが、大きな自信につながっていた。
「京産戦でどこまでできるかで来週(入替戦)につながるなと感じていた。そこでは負けてしまったけど(5―33)、僕らはやれると自信を持って今日臨めました」とFL魚谷勇波主将は言った。「下級生が多い中でよくやってくれたと思う」と続けた。

2トライを挙げた摂南大CTB東将吾。再三のラインブレイクで光った(撮影:前島進)

 第2試合では、摂南大がチャレンジャーの龍谷大に5トライを奪われるも、自慢のアタックで11トライを挙げ、結果69―29。ダブルスコアで上回った。

 摂南大は一発で仕留める力がった。先制トライは前半1分。ラインアウトからのアタックでCTB東将吾がきれいにラインブレイク、そのままインゴールに入った。
 自陣でディフェンスする時間も長かったが、9分にはFBヴィリアミ・ツイドラキが意表を突いて自陣からそのまま走り切った。24分もターンオーバーからフェイズをかけずにCTB東の突破で2トライ目を挙げた。

 一方の龍谷大は22㍍ライン内に入れば精度の高いアタックを披露し、WTB森岡宏文が2トライを奪った。
 12―31で迎えた後半も開始直後のキックオフを確保し、ラインアウトモールからHO大畑龍平がトライ。2トライ2ゴール差まで迫った。直後にキックオフからやり返されるも、11分にNO8高山直暉が肉弾戦を制して食らいついた。

 だが龍谷大の追い上げはここまで。以降、摂南大が走力のあるWTBテビタ ・タイやFBツイドラキがトライを重ね、4連続トライ。64―24とし勝負を決めた。

 龍谷大の原田太津男監督は「春から取り組んでいたうちらしいアタックは十分にAリーグに通用すると分かった。一方で、個々のレベルの高さで及ばないところがたくさんあって、これがAリーグの壁と感じた」と話した。15季ぶりのAリーグ復帰とはならなかった。

 一方の摂南大は3年連続の残留を決めた。FL隈元添太主将は、「勝ち切れたことを嬉しく思う。今季はAリーグの中で数々の経験をさせていただいた。後輩たちにバトンをつなげたことは価値ある勝利だと思います」と最後の戦いを振り返った。