関東大学リーグ戦1部・2部の入替戦が12月11日に埼玉・熊谷ラグビー場でおこなわれ、今季2部で2位だった東洋大が1部7位の中央大を26-21で下し、1993年度以来、29年ぶりの1部復帰を決めた。
一方、中央大は1967年のリーグ戦開始から1部で戦い、優勝1回、全国大学選手権大会でも2度ベスト4入りしたことがある古豪だが、初の2部降格となった。
東洋大は2点ビハインドで迎えた後半25分、相手の反則から敵陣深くに入って攻め込み、接点でターンオーバーされたものの、インゴール内でボールを回した中央大に対してCTB大島暁がプレッシャーをかけ、パスが乱れたところ、WTB杉本海斗がいち早くボールを押さえ、逆転トライが認められた。
中央大は終盤、敵陣深くに入って約4分間攻め続けたが、東洋大は懸命のディフェンスで落球させ、ピンチを脱出。残り時間に死力を尽くし、勇敢なチャレンジャーが歓喜となった。
東洋大の福永昇三監督は、「いろんな思いが込み上げ、ノーサイドの前から涙が出そうになった。試合前から、昨年入替戦がおこなわれず、(やってきたことを)ぶつけるところがないまま卒業していった4年生のことを思い出していた」と感慨深く振り返り、背番号1をつけチームを引っ張ったキャプテンの松田新之介は、「きょうは、いままで積み重ねてきた小さなプレーを出せた」と勝因を語った。
関東大学リーグ戦のもうひとつの入替戦は、今季2部リーグで優勝した立正大が1部8位の専修大に53-47で勝ち、8年ぶりの1部復帰を決めた。降格する専修大は5年ぶりに2部でプレーすることになる。
立正大は1点ビハインドで折り返したが、13-14で迎えた後半4分、敵陣深くでプレッシャーをかけ、専修大の選手がキックを失敗し、ボールを手にしたLO永田優大がインゴールに突っ込み逆転した。活気づく立正大はその後、パワフルなNO8エパラマ・ツヴュニボノが連続トライ。後半16分にはHO陣内源斗の強烈なタックルから攻めに転じてFL阿久津周がフィニッシャーとなり、その後も2トライを追加してリードを32点に広げた。
あきらめない専修大は終盤に怒涛の追い上げで6点差まで詰めたが、ノーサイドの笛が鳴り、勝者となったのは立正大だった。
立正大の堀越正己監督は、「この日の試合のために、シャローディフエンス、キックを使うゲームを1年間徹底してきた。そして、きょうやり切ってくれた」と選手たちを称えた。そして、フルバックでキッカーも務めたキャプテンの五十嵐拓星は、「前半がロースコアになることはわかっていた。プラン通りに戦えば自分たちに流れが来ると信じていた」と試合を振り返り、喜びをかみしめていた。
11日には関西大学リーグでも入替戦がおこなわれ、関西学院大と摂南大がAリーグ残留を決めている。
今季Aリーグで最下位だった関西学院大はBリーグ1位の大阪体育大に48-17で勝ち、Aリーグ7位だった摂南大はBリーグ2位の龍谷大を69-29と圧倒した。