ラグビーリパブリック

【ラグリパWest】アツラグのつながりを同期からラグビー界全体へ。

2021.12.06

来年1月9日に花園ラグビー場で開催される「アツラグ Class of 2000」のジャージー2種。1981年度生まれのラグビーマンが一堂に会する。

8人のアツラグ実行委員会の中心になる2人。中山真貴さん(左)と土井慎介さん。中山さんは大阪桐蔭から立命大、土井さんは東海大仰星から大体大に進んだ。



 同期のきずなを強くする。「アツラグ Class of 2000」が産声を上げる。アツいぜラグビーの短縮形である。

 1981年は昭和56年。その年度に生まれたラグビーマンたちの初の集まり、いわば同窓会が決まった。来年1月9日(日)、場所は東大阪市花園ラグビー場の第二グラウンド。高校生の聖地で15人制やタッチフットが展開される。競技歴や巧拙は問わない。

 留年や浪人でこの1981年度がメインになった人はどうなりますか?
「大丈夫です。その辺りはラグビーや人間と一緒でグレーです」
 さすがのOK返答は湯浅大智。アツラグの中心で、監督する東海大仰星を冬の全国優勝5回、歴代5位の強豪に高めた。

 湯浅はさらに続ける。
「これからラグビーを始めようと思っている人も参加してくれたらいいなと思います」
 未経験者も大歓迎。門戸は開かれている。
「僕も含めてこの学年は不惑になりました。2回目の成人式という感じですかね」
 期待感でその目は輝く。

 湯浅を含めた8人の実行委員のひとり、土井慎介は言う。
「2年前、この同期会を考えていましたがコロナがありました」

 湯浅と土井は仰星の同期。背番号は6と7。ナンバーエイトは梶村真也。関大北陽の監督である。この同期バックローは初の全国優勝を呼び込む。高3時の79回大会(1999年度)の決勝は埼工大深谷(現・正智深谷)に31−7。主将だった湯浅と梶村は東海大、土井は大体大に進む。

 土井は現在、パーソナルトレーナーとして、大阪市内でジム「Muscroom」(マッスルーム)を運営。Doiet(ドイエット)と名づけた筋トレと食生活を組み合わせた痩身法が話題だ。著名な飲食関係の経営者もやってくる。

 中山真貴(まさき)も実行委員のひとりだ。
「同期でLINEのグループを作っているのですが、その人数は150くらいになります。すでに80人ほどの参加が見込まれています」
 みなやる気にあふれる。

 中山はスタンドオフとして大阪桐蔭から立命大に上がった。現在は刃物メーカーの株式会社ナカヤマの社長である。
「僕で4代目。85年の歴史があります」
 たばこやスマホの保護フィルムを切るカッターなどを作る。

 中山を土井は頼もしげに見る。
「この会のメインスポンサーです。対戦用のジャージーも作ってくれました」
 青とグレーの2種類のジャージーの胸には「NAKAYAMA」のロゴが入る。製作はFourST(フォースト)。代表の守屋篤も同期。ヤマハ発動機などでセンターとしてプレーした。日本代表キャップ7を持つ。



 ラグビー界では昭和の43年会や45年会が先んじて活動を始めている。
「上の代でもやっていることは知っています。僕ら下の世代でも、ということになりました。40歳はきっかけとしてよいと思います」
 中山はそう説明した。

 実行委員には消防士の岡本大侑(だいすけ)も名を連ねている。フロントローだった岡本の高校は中山と、大学は土井と同じである。

 1981年度生まれの経験者は楕円球界で重きをなしている者が多い。

 この年末年始の101回の全国大会には監督として3人が出る。湯浅と相亮太、霜村誠一だ。相は流経大柏を霜村は桐生第一を率いる。大向将也、中部大春日丘のコーチもこの代になる。

 花園予選で敗れた監督では梶村、橋脇正典、川村圭希らがいる。橋脇は和歌山工、川村は常翔啓光を指導。関東学院六浦の総監督、林広大や大阪朝高の前監督、権晶秀(くぅおん・じょんす)もそうである。

 2015年ワールドカップで日本代表の主将をつとめた廣瀬俊朗、トップレフリーの久保修平、俳優の高橋光臣も同期だ。高橋は常翔啓光の前身、啓光学園から東洋大に進んだ。

 当初は第一グラウンドを借りる予定だったが、東大阪市の成人式の祝賀行事が入っていた。9日は成人の日の3連休の中日にあたる。試合開始は午後1時。3時間のグラウンド使用を予定している。その料金などの支払いのために2500円の会費を徴収する。

 また、この9日は高校全国大会の翌日にあたる。大会で役務についている教員や新チームによる新人戦のことを考えた。
「会社員の人たちも正月休みの範囲の最後がここかなあ、と思います」
 中山はそう補足する。

「日本であったワールドカップでラグビーはぐっと来たけど、コロナなんかがあってしぼんでしまいました。僕らの活動がラグビーのさらなる盛り上がりに少しでもつながっていってくれれば、うれしいですね」

 中山は経営者らしく先を見る。まずこの1回目を成功させ、できればスポンサーや協賛企業も増やしたい。同期とのつながりをラグビー界への大きなうねりにまでもっていければ最高だ。夢は果てしなく広がってゆく。

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