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関西学院大が京産大を苦しめた。入替戦に向けて弾みになる一戦に。

2021.12.05

スクラムでペナルティを奪い、雄叫びを上げる関西学院大(撮影:早浪章弘)

 90が33に。
 敗れはしたが、次につながる戦いだった。

 12月4日、関西大学Aリーグの最終節がおこなわれ、関西学院大が京産大に5-33で敗れた。春の春季トーナメントでは5-90と叩きのめされた相手に、前半は5-7と競った。

 関学には次がある。
 リーグ全敗、最下位で終えた関学は12月11日、Bリーグ1位の大体大と対戦する。

 前節は同志社大に10トライを奪われ、0-68で敗れる完敗だった。「気持ちでも、体を当てる部分でも劣っていて、そこをこの2週間すごく反省しました。それが今日の前半の点差に表れた」とFL魚谷勇波(いさな)主将は話す。

 6戦全勝、勝てば関西制覇が決まる京産大に、簡単な勝負はさせなかった。
「80分間、体を当てることができた。相手は全勝で僕らは全敗の中で、京産は伝統的にFWが強い。その中で特にディフェンス、接点で負けなかったことは次に向けて良い収穫」

 前半はエリア、ボールポゼッションともに優位に立った。相手のペナルティを起点にほとんどの時間を敵陣で過ごし、何度もゴールラインに迫る。最後はエラーや相手のジャッカルに遭い、なかなかスコアできなかったことは痛かったが、15分に先制トライを奪われてもそれ以上はスコアさせなかった。

 前半終了間際にWTB加藤匠朗が奪ったトライは、健闘した接点でターンオーバーしたもの。FL魚谷主将がボールキャリアーからボールを奪い取った。前半を5-7で折り返した。

 後半は結果的に4トライを奪われるも、京産大がセーフティリードを奪えたのは21-5とした29分だった。

 12分に5-14とされた関学は、アタックで我慢し続けて相手のペナルティを誘う。20分過ぎにはゴール前でのラインアウト、25分にも相手のハイパントの処理ミスからトライチャンスを得ていた。魚谷主将は「取らないといけないところで取り切れなかったところが悔しいし、痛かった部分」。
 最後までスコアボードを動かすことはできなかったが、全敗してきたチームにとって最終節にしてようやく大きな一歩を踏み出したと言っていいだろう。

 魚谷主将は入替戦に向けて決意を語る。
「僕たちはシーズンが始まる時、愛されるチームになることを目標にしました。そんな中で同志社戦は不甲斐ない試合をしてしまって…。でもあんな試合をしても、応援してくれる方がいらっしゃった。
 今日はそんな方々に応援してよかったと思ってもらえるようなプレーをしようと。自分たちのプレーに対しても誇りを持てる、関学で良かったと誇りを持てるチームをもう一回目指そうと話しました。
 勝つことはできなかったけど、自分たちの示すべきところは示せた。ただ次は示すだけではダメ。勝ちにこだわって戦いたい」

 関学にとっては2015年以来の入替戦に挑む。その時の相手も大体大。56-19で退けている。

この日、唯一のトライを挙げたWTB加藤匠朗。前半44分、迫りくるタックルを振り切った(撮影:早浪章弘)
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