ラグビーリパブリック

釜石の元プロップがつくるお米が会員特典。地域支援もできる釜石シーウェイブスの「和樹の米」

2021.12.03

(撮影:西条佳泰 Grafica Inc.)

釜石の元プロップがつくるお米が会員特典だ。

リーグワン2部所属の釜石シーウェイブス(SW)RFCは10月、岩手県内で農家を営む元選手の佐々木和樹さんが生産する「岩手県産ひとめぼれ」を、ファンクラブ(クリスタル会員以上)の一般会員特典とする企画を発表した。釜石SWの桜庭吉彦GMは「元選手の商品が会員特典になったのは初めて」と話す。

1989年生まれの佐々木さんは岩手・盛岡工業を卒業後、2008年に釜石SWに入団した。高校卒業後は就職を考えていたが、新日鐵釜石OBだった盛岡工業の小笠原常雄監督(当時)の勧めもあり、競技続行を決めた。

入団後は家業である農業を手伝いながら本拠地の松倉グラウンドに通い、日々スクラムを磨き、「農家兼ラグビー選手」として13年間にわたりプレー。2021年に現役を引退し、現在は農業に専念している。

(撮影:西条佳泰 Grafica Inc.)
(撮影:西条佳泰 Grafica Inc.)

そんな佐々木さんが生産したお米をファンクラブの会員特典にしたい――。そんなユニークな企画に携わったのは、マーケティング担当の友永雅之さんだ。

「ファンの皆さんのためにもなり、チームや佐々木さん、地域のためにもなるということで企画しました。また釜石SWは全国に会員の方がいるのですが、諸事情で釜石まで観戦に来ることができない方にも喜んでほしい、という思いもありました」(総務・友永さん)

 年会費4000円のクリスタル会員以上になれば、三号(450g)の真空パックのお米が届く。こうしたファンやチームだけでなく、地域のためにもなる特典企画は「今後も続けていきたい」(友永さん)という。

2022年1月開幕のリーグワンへ向けて釜石SWは活動的だ。

2021年4月には中学生を対象としたアカデミーが開校。釜石市が全国12の開催都市になった2019年W杯以降、「地元の子ども達の競技人口が増えました」(桜庭GM)。ラグビーに熱中したい子どもの受け皿ができた。

11月にはより幅広いプロモーションを目的とした公式マスコット「フライキー」も誕生した。これまで“非公式黙認”マスコットとして活躍してきた、ラグビーファンにはお馴染みの「なかぴー」と「なかりん」も引き続き試合会場等に登場する。

釜石SWは東北以北で唯一のリーグワン・チーム。釜石市を不変のホームとしつつ、東北出身選手の出身スクール訪問など、徐々に東北6県でも活動していきたい考えだ。リーグワンへ向けて活動的な釜石SWの今後にも注目したい。

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