1年後にラグビーワールドカップ(第9回女子大会)を控える女子15人制日本代表“サクラフィフティーン”は、ヨーロッパ遠征の最終戦として、現地時間11月20日にダブリンのRDSアリーナで世界ランキングが5つ上(7位)のアイルランド代表と対戦し、12-15で敗れた。
今秋のツアーではウェールズ代表とスコットランド代表にも敗れており、0勝3敗で終えた。
ツアー最終戦。
前半29分にアイルランドのNO8が危険なタックルでレッドカードを提示され、退場。数的有利となった日本は、前半17分のCTB古田真菜のトライに続き、37分にはFL齊藤聖奈もゴールラインを割り、12-3とリードして折り返した。
しかし、アイルランドは44分(後半4分)、この試合を最後に引退するFLキアラ・グリフィン主将のトライで4点差とし、活気づくと、55分にも怒涛の攻撃でゴールに迫り、パワフルなグリフィンが突っ込んで逆転トライが認められた。
地元ファンの熱い声援を受けてアグレッシブに戦い続けたアイルランドに対し、日本はなかなか自陣を抜け出せない。74分に速いテンポのアタックで敵陣22メートルライン内に入り、PKを得たあと、FWが連続で近場を突いて前進しゴールに迫ったが、アイルランドが粘り強く守って日本は痛恨の反則を犯し、チャンスを逃した。
また、長身のFW選手が多いアイルランドに対し、日本はラインアウトでも苦戦し、流れを変えられず。
日本は最後のアタックで敵陣22メートルライン内に入ったが、アイルランドが守り切り、ノーサイドとなった。
キャプテンの南早紀は、「いい試合をしても、最後勝ちきれないのが自分たちの弱さだと思う」と悔しさを隠さない。相手にレッドカードが出て、約50分間、数的有利になりながら、後半に逆転され自分たちは得点できなかったことについては、「前回の試合から、後半の入りになかなか自分たちのリズムを作れないというところは課題だったが、修正しきれなかった」と反省した。
そして、レスリー・マッケンジー ヘッドコーチは、「(日本は)国際経験が明らかに少ない。シックスネーションズ(ヨーロッパの強豪6か国)のチームはテストマッチの経験が毎年たくさんあり、アイルランドはコロナ禍のなかでもいろんな経験ができていた。その差はすごく感じた。そこは遅れを取り戻していかなければならない」と日本ラグビーの問題を指摘する。格上のアイルランド相手に健闘したものの、数的有利になりながら勝てなかったのも事実で、「そういう状況でどうゲームマネジメントしていくのかは課題だが、日本国内で練習しただけでは経験できないこと。今日の試合は苦い経験だが、そういったことを経験できたのは収穫だと思う」とコメントした。