ラグビーリパブリック

60分14人のサクラフィフティーン、必死に抵抗も、スコットランドに敗れる。

2021.11.15

サクラフィフティーンは最後まで体を張るも、勝利に届かず。(Photo: Rugby People)



 前半20分、タックルに入ったLO佐藤優奈の肩がボールキャリアーの頭部をヒットした。
 TMOで何度も繰り返しプレーをチェックした後、レフリーのニッキ・オドンネル氏はレッドカードを提示した。

 残り60分を14人で戦ったサクラフィフティーン(15人制女子日本代表)はスコットランド代表に12-36と敗れた。
 11月14日(日本時間 15日午前1時10分キックオフ)、敵地・エディンバラで前半を12-10とリードするも、後半に逆転された。

 日本の奪った2トライは、前半35分と42分。両トライとも、14人になってからだった。
 最初のスコアは、スコットランドが反則を重ねたところをPKからのアタックで攻め立てた。
 FWでゴール前へ。最後はHO永田虹歩がトライラインを越えた。

 前半終了間際のトライも、敵陣深いエリアでテンポを上げて攻めた。
 SO大塚朱紗がグラバーキックを転がしたり、相手の反撃をターンオーバーして攻めに転じたシーンもあった。最後はPR加藤幸子が力強く持ち込んだ。

「14人でも、自分たちがやってきたラグビーをすることは変わらない。相手の嫌がるようなテンポのはやいラグビーをしていこう」
 PR南早紀主将は周囲にそう呼びかけ、仲間はそれに応えた。

 しかし、2点リードで入った後半は、体格差とフィジカルの強さを武器に、スコットランドが接点で圧力をかけた。ダイナミックに走り、巧みにキックも使う。4トライを奪った。
 サクラフィフティーンは加点できず、自分たちの強みを得点に結びつけることはできなかった。

 戦いを終え、レスリー・マッケンジー ヘッドコーチは、数的不利の状況の中で自分たちの時間を作った選手たちについて「柔軟性を見せてくれた」と評価し、続けた。
「後半に疲れが出ることは想定内。コンタクトの厳しさは良い教訓になった。スコットランドのブレイクダウンを経 験できたのも良かった。素晴らしい学びの機会。テストマッチをさらに戦う中で経験し、感覚的なものを養っていく」

 国際舞台の経験の浅い選手たちも、ツアーの中で成長の速度を高めている。
 11月20日のツアー最終戦、アイルランド(ダブリン)との戦いでは勝利を手にしたい。