元日本代表監督の日比野弘氏（日本ラグビー協会名誉顧問、元名誉会長）が、2021年11月14日に逝去（享年86）。11月15日、日本ラグビー協会からは会長・森重隆氏からコメントが発表された。
故・日比野弘監督が初めて代表を率いたカナダ遠征は１勝４敗の悔しい内容だった。ラグビーファンからヒゲモリさんの愛称で親しまれる森会長は、そのツアーをともにしていた当時の選手でもある。
「この度の訃報に接し、日本ラグビー協会を代表して心より哀悼の意を捧げます。
日比野名誉顧問の日本ラグビー界への功績は計り知れません。敬愛してやまない偉大な先輩を失い、言葉で言い尽くせない寂しさを感じております。
日比野さんが初めて日本代表監督となられた1976年、私は日本代表の一員として遠征に参加しておりました。ともに悔しさを味わったカナダ遠征など、思い出には尽きません。
理論派と言われる日比野さんでしたが、和を重んじてチームをひとつにまとめるリーダーシップは抜群で、その温厚なお人柄は誰もが認める真のリーダーでありました。
長きにわたる日本ラグビー界への多大な貢献に敬意と感謝を申し上げ、謹んでご冥福をお祈り申し上げます」
森重隆氏は福岡高校-明治大学を経て新日鐵釜石に入社、その黄金期を築いた名CTB。日比野監督（当時41歳）が率いた1976年のカナダ遠征は、故人にとって指揮官として初めての日本代表海外遠征。社会人３年目の森選手（当時24歳）にとっては4度目の遠征だった。
森選手も出場したカナダ遠征唯一のテストマッチは、対B. C.カナダ。7-38で一方的な展開となった（5月12日）。
日比野氏はこうした経験を積み、1983年には黄金期のウエールズに食らいつく（日本24-29ウエールズ）結果を残している。
日比野弘（ひびの・ひろし）氏。1934年（昭和9年）11月20日生まれ。東京都立大泉高校→早大教育学部→東横百貨店→早大教授。早大４年時に日本代表に選出されるなどWTBとして活躍した（キャップ3）。卒業後は東横百貨店、家業を経て、早大教授。早大ラグビー部監督は4期（8季）務め、日本選手権優勝1回、大学選手権優勝3回。日本代表監督としてはカナダ、ニュージーランド、ウエールズに遠征。第5回アジア大会ではチームを優勝に導いた。早大では名誉教授も務めた。現役時代の身長、体重は169 センチ、65キロ。