最後の最後まで勝利を確信できなかった。この展開を誰が予想していただろう。
11月13日、敵地(コインブラ/日本時間 14日 午前2時10分キックオフ)でポルトガル代表と戦った日本代表は38-25と苦戦した。41分にFB山中亮平がインターセプトからトライを奪うまで、31-25だった。
試合前からジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(以下、HC)は「ポルトガルは手強い」と言っていた。それでも、ここまで苦戦するとは思っていなかったはずだ。
日本代表は前後半で15ペナルティ(前半6)。5-60と大敗したアイルランド戦より多く笛を吹かれた。
ディフェンスは、よく前に出た。「コリジョンで圧倒を」の意思統一のもと、準備を重ねて試合に臨んだ。
ジョセフHCは、「タックル自体は悪くなかった」とチームの前進を感じるも、「その後のプレーの精度がよくない」と振り返る。
「ブレイクダウンで、フィフティ・フィフティのプレーが多い。レフリングにもアジャストしないといけない。ペナルティの3分の2はディフェンス時。そこをさらに修正していかないと」
ポルトガル代表に対し、「タフで、(その戦いぶりに)頭が下がる」とリスペクトの気持ちを示した。
ゲームキャプテンを務めたCTB中村亮土も、「難しい試合になるのは分かっていたので、いい準備を重ねてきた」と話した。
プレー時間の少なかった選手、若手も出場した一戦。その布陣で、苦しみながらも「勝って次に進むことは大事」と話す。
「後手に回ってしまったところもあったが、グラウンド上のコミュニケーションは取れていました」
3試合ぶりのテストマッチ出場、背番号6で先発したリーチ マイケルは、中村ゲーム主将の働きを称え、チームにとって、この試合を勝ち切った経験は今後に好影響を与えると言った。
「このチームにとって、サンウルブズ戦を除けば(ワールドカップ後の)初勝利。新しいメンバーと、タイトな試合を乗り切ったのは大きい」
「こういうタイトな試合をひさびさ経験しました。リーダー陣、チームは成長できたと思う。(苦しんだ)その時間帯に、何をしないといけないか学べた」
リーチは、キャプテンの肩書きがなくなっても精神的支柱としてチームを支えている。
初キャップながらトライを奪うなど活躍したCTB中野将伍について、「躍動感があった。また一緒にプレーしたい」と話し、となりに座る本人に微笑みかけた。