2年連続3回目の花園切符はディフェンスで手に入れた。
埼玉県の花園予選決勝が11月13日に熊谷ラグビー場でおこなわれ、昌平が深谷に20-5のスコアで勝った（昨季は100回記念大会で埼玉から2校、川越東とともに出場）。
戦前に頭に浮かべた勝利へのロードマップは「ディフェンスから」（FB北川拓来主将）。
グリーンのジャージーは、思い描いたイメージを現実のものとした。
勝利への道を先頭で走った北川主将が挙げた先制トライは前半3分。蹴り込んだキックボールを受けた深谷を自陣から脱出させず、好機をつかんだ。
タックルで押し込み、相手の反則を誘う。PKからラインアウト、モールを組み、展開したボールを背番号15がインゴールへ運んだ。
15分のPGでの追加点は、カウンター攻撃から。攻め込み、接点で前へ出たからふたたびオフサイドを誘う。
SH鈴木悠真が正面約30メートルのPGを決めて8-0とした。
昌平のディフエンスは後半も力を出した。そして得点機を作る。
5分にSH鈴木が奪ったトライは北川主将が右タッチライン際を駆け上がり、蹴ったボールをインゴールで押さえたもの。
そのアタックの起点となったラインアウトは、自陣ゴール前のブレイクダウンでPR樋口博夢がジャッカル。反則を誘い、PKを蹴り出したのがきっかけだった。
昌平は、よく攻めた深谷をハードに、粘り強く守り続け、許したトライは1つだけ。
それも、後半17分にインゴールに入られるまで無得点に封じた。
失点直後にはふたたび加点し、思い通りの試合運びで歓喜の時を迎えた。
試合後、昌平の御代田誠監督は、「ディフェンスで勝った」と言った。
「FW、BKが一体となって、タックルして、起き上がる。それを何度も繰り返してくれた」と選手たちを称えた。
北川主将も「昨年の花園で、大阪朝高相手にディフェンスが崩れて負けました」と振り返り、目標とする『（花園での）年越し』には防御力を鍛えることが必要だと注力してきて、さらに上積みする必要があるとした。
深谷のHO宮下拓也主将は敗れたものの、「（持てる力を）出し切れたので楽しかった」と話し、笑顔を見せた。
そして、昌平に「今日のようなディフェンスをすれば、花園でもやれる。頑張ってきてほしい」とエールをおくった。
勝敗はついた。両者とも立派に戦い抜いた。
ライバルに笑顔で送り出してもらえる幸せを噛み締めて、グリーンのジャージーが西の聖地へ向かう。
タックル、またタックルの試合を全国の舞台でも見せる。