10月30日、トップイーストリーグAグループの横河武蔵野アトラスターズがヤクルトレビンズと敵地(埼玉・戸田市)で対戦し、8−35で大敗を喫した。
9月のクリーンファイターズ山梨戦を最後に連敗中。「入替戦出場」の可能性も出てきた。
ホームでの開幕節ではヤクルトに1点差(14−15)で惜敗し、リベンジに燃えていた横河武蔵野が開始早々PGを決め先制した。
試合の入りは良かった。3−18で前半を折り返す。
しかしその後はブレイクダウンでミスを重ね、貴重な得点チャンスもペナルティによって逸し、追加点は1トライのみ。ヤクルトに合計4トライ3ゴール3PGを許した。
横河武蔵野が犯したペナルティ13のうち、半数以上はアタック中に発生したものだった。
攻撃権を失い、相手に得点やアタックの機会を与えた。ボールポゼッションの時間を著しく損なった。
ヤクルトは開幕以来、焦らないメンタルと逆転勝利の成功体験によって自信をつけ、(山梨戦を除き)すべての試合を2点以内の僅差で勝利している。
10番ニック・イブミーのコンバージョン、PGが正確だ。
この日の大勝もライバル東京ガスを刺激したのは間違いない。優勝へ向けて期待が高まる。
通算成績は5勝0敗で勝ち点22、順位は1位。次節は11月6日、ホームでクリーンファイターズ山梨と対戦する。
マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたヤクルトWTB髙橋拓行(173センチ、83キロ/24歳)は、グラウンドの端から端まで躍動し、凄まじいほどの運動量で攻守両刀の活躍を収め、チームの勝利に大いに貢献した。
「みんなの力で取らせてもらいました。勝てて本当に良かったです!」と満面の笑みで喜びを口にした。
チームメイトの笑顔に見守られながら、「点差は開いたが、キツイ時間帯もありました。みんなで繋ぐ、意思統一ができた試合でした。(この日に向けて)練習ではハイパントにフォーカスしていました。何本かしっかり競ることができた場面もありましたし、おおまかなゲームプランはうまくできていました」。
晴れやかに、そう語った。
対する横河武蔵野のPR古澤陸は、セコム戦のFW対決に80分間フル出場するなど戦力として欠かせない存在となっている。
「勝てなかったことが悔しい。しかも負けた理由が、相手に崩されたのではなく、自滅だったことが悔しい」と切り出した。
「前半も色々ミスがあったんですけど、そこの修正ができないまま、ほとんど自陣でラグビーしてしまったのが敗因だと思います」
「攻め込まれて、防いで抜け出せたところでも、またペナルティを取られてキックで陣地を取り戻されてしまった。相手の絡みが素早かったこともあるが、ファーストフェーズからジャッカルされたり、倒れ込みやシーリングのペナルティを取られてしまった。下を向いているわけにはいかないので、残り3戦に勝てるように修正して頑張りたいと思います」
徹底したアタックマインドで信頼を得た横河武蔵野CTB髙橋大輔は、「『悔しい』のひとことです。崩されたのではなく、ペナルティで点数を刻まれ、自陣に来られてトライも獲られ、一試合目と同じ流れになってしまった。まだまだ修正が必要だと思います」と語る。
試合前、「なんとしても入替戦だけは避けたい」と話していたが、実はこんな事情もあった。
「入替戦の日程が結婚式の翌日で(飲酒できなくなってしまうため)、みんなが『大輔のために頑張ろう』って言ってくれたんです。茶化して言ってるところもありますけど・・・」
在籍期間が長くなるにつれ、チーム愛が深まっていく。
「(試合に)出ている人のために出てない人が応援しますし、出ている人は出てない人のためにプレーで頑張ろうと、みんながみんなのために頑張るということが感じられるチーム」と続け、「どうしても勝利を勝ち取りたかった」と悔しさを滲ませた。
※試合の模様は、ヤクルトレビンズの公式YouTubeチャンネルでご確認ください。