一日中気持ちの良い青空が広がった。
グラウンドのあちこちに笑顔があった。子どもたち同士の交流もほほえましい。
10月30日(土)、大阪・J-GREEN堺で『SEINANラグビーマガジンCUP関西ミニ・ラグビー交流大会2021 supported by canterbury』(主催/関西ラグビー協会、特別協賛/青南商事)が開催された。
関西ラグビー協会に所属する30ラグビースクールの5年生、6年生チームが集まり、走り回った。
もっとも遠方からやって来たのが愛媛の松山ラグビースクールだった。
バスで午前3時に出発し、9時頃到着。大会後、帰路についた。
翌日(31日)には県内の大会が控えている中での参加だった。
コロナ禍でSEINAN・ラグマガカップの開催決定、告知の時期は例年より遅かった。
各チームは短い時間で参加可否の決断と準備をしなければならなかった。
さらに連日の大会参加というハードな日程。しかし、県外のチームと交流できる機会は貴重だ。
地元・松山でも活動を休止せざるを得ない期間は1か月以上に及んだ。みんなうずうずしていた。
迷いはなかった。
事前に各人の意思確認をした。6年生12人中9人が「連日の試合になっても行きたい」と手を挙げた。
同カップには、これまでいつも参加してきた。しかし、昨年は新型コロナウイルスの影響で大会は中止に。2年ぶりの大会開催に、みんな張り切った。
松山ラグビースクールは1975年の発足。オレンジ主体で袖が青のジャージーは、愛媛のみかんと青い空、海を想起させる。
スクール草創期に尽力した大西五郎さんは法大出身だった。同校ラグビー部ジャージーのカラーも、スクールのものと重なる。
現在は幼児から小6まで、60人が所属している。
現在の山崎文明校長は、いつも、「ひたむきにタックルしよう」と子どもたちに呼びかけている。
今大会での2戦2勝のパフォーマンスは、その言葉を実行し、のびのびと動き回った結果だった。
今回のチームで主将を務めた芳野心(よしの・しん)は試合に臨む前、円陣の真ん中で「タックルするぞ! 声出すぞ! 絶対勝つぞ!」と声を出し、仲間たちが「オー!」と続いた。
2学年の中でも、大柄な子と小柄な子では、身長15センチ、体重25キロも違うが、全員で攻め、守った。
日浦憲一コーチは、「グラウンドを見ていて思ったのは、いつも以上に子どもたちの笑顔が輝いていることです。来てよかった」と話す。
芳野主将は「みんなとコミュニケーションをとりながらプレーできて楽しかった。いつもと違う相手とやれて、いろんな技を見せてもらえました」と、終始ニコニコだった。
何面もあるグラウンドは、同じような笑顔であふれていた。
感染症対策に万全を期して運営にあたった多くの人たちも嬉しそうだった。