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明治53-14筑波大。「今季、一番明治らしい戦いができた」試合を筑波大サイドから見る。

2021.10.30

筑波大が強みとするブレイクダウンで引かなかった。写真はLO武内慎(撮影:長尾亜紀)

明大はスクラムで優位に立った。HO田森海音が笑みを浮かべる(撮影:長尾亜紀)

 10月24日、セナリオハウスフィールド三郷で関東大学対抗戦がおこなわれ、明大が筑波大を53-14で破った。9トライを奪う大勝だった。

「今シーズンで一番明治らしい戦いができました」と神鳥裕之監督が語ったこのゲーム。

 筑波大も「本当に勝つつもりで準備してきた」と嶋﨑達也監督は言う。
 筑波大は開幕から3戦は、慶大に勝利し、帝京大、早大を追い詰めるなど、好調だった。

 3戦目の早大戦を終え、明大戦まで2週間空いた。例年は1週間だけだったから、より考える時間を与えられたことになる。その準備期間を利用して、嶋﨑監督は策を練った。
「早稲田との試合が終わって、ディフェンスには手応えがありました。このままディフェンスがしっかりできるという前提があれば、明治との勝負はスクラムになる。(明治は)例年重さを持っているチームなので、そこを止めるために彼らをセレクトしました」(嶋﨑監督)

 彼らとは、4番で起用した小山峻哉と19番の内田希門だ。ともに本来のポジションはプロップだが、高校時代にLO経験があった。大学5年目の小山は今季、早大戦でもNO8で途中出場。LOでの起用も構想のひとつとして持っていた。

 そこで、それぞれ110㌔、109㌔と重さのある2人をLOで起用し、明大のスクラムに対抗しようと試みた。ただ結果はついてこなかった。「スクラムは健闘してくれましたが、強みのディフェンスで受けてしまった」と嶋﨑監督。
 ここまでディフェンスでの貢献が際立っていた171㌢のNO8楢本鼓太朗は、代わりにリザーブに回っていた。「チームとしてのバランスが崩れてしまった」と、大量失点につながったことを悔やんだ。

 この日はラインアウトでも、ともに191㌢ある明大の両LO、山本嶺二郎と武内慎の高さに苦戦。「スクラムに比重をかけた分、ジャンパーも少なくなり、ラインアウトもプレッシャーを感じてしまった。僕の判断ミスもあるかもしれない」と嶋﨑監督は肩を落とす。

「全てはディフェンスで止める前提でした。いろんな意見があると思いますが、勝負に出たつもりでした」

 今回の強硬策は結果として裏目に出たが、上位校相手に善戦では終わりたくない意思表示でもあった。開幕戦で惜敗した帝京大戦後も、「僕たちはこの手応えを勝利に変えないといけない」と嶋﨑監督は語っていた。
 この敗戦を大きな糧にしたい。

 昨季の上位4校との対戦を終えた筑波大は次戦、ここまで全敗の青学大と、11月7日に対戦する。

◆明大サイドのリポートは、10月28日発売のラグビーマガジン12月号に掲載しています。そちらも合わせてご確認ください。

勝負に出た筑波大。写真はWTB大畑亮太(撮影:長尾亜紀)

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