ラグビーリパブリック

豪州戦の先発HB団は流&松田。ガンター、ライリーが日本代表デビューへ。

2021.10.21

2年ぶりに桜のジャージーを着て戦う流大(撮影:Hiroaki.UENO)


 世界的強豪のオーストラリア代表“ワラビーズ”に挑む、日本代表の試合登録メンバーが決まった。
 ブレイブブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)の愛称で知られるチームを率いるジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「選手たちは非常に興奮している。オーストラリアはザ・ラグビーチャンピオンシップで南アフリカ(2019年ワールドカップ優勝チーム)やアルゼンチンを倒してきているので、私たちにとっては大きなチャレンジになる」と燃えている。

 過去5回対戦し、日本代表は一度もオーストラリア代表に勝ったことがない。2017年11月に横浜で激突したときは30-63だった。次は6度目のチャレンジ。10月23日に昭和電工ドーム大分で挑む。

宮崎での合宿中、CTBのラファエレ ティモシーと話すSO松田力也(撮影:Hiroaki.UENO)

 背番号10をつけるのは、27歳の松田力也だ。これまで獲得した25キャップ中、先発は複数ポジションを合わせ5試合という松田だが、65キャップを持つエースSOの田村優は指揮官いわく「軽いけががあって準備ができていない部分がある」ため、松田が司令塔を務めることになった。「オーストラリアという強い相手に向かっていくことはなかなか難しいことだが、力也はしっかり準備ができており、10番に選んだ」

 その松田とハーフ団のコンビを組むのは流大だ。SHの流にとっては2年ぶりのテストマッチとなるが、ベスト8入りを果たした2019年のワールドカップでは5試合すべてで背番号9をつけており、ジョセフ ヘッドコーチの信頼は厚い。
「前回(今年夏)のツアーは個人的な理由で不参加だったが、彼は自信を持っており、リーダーとしてもすばらしい選手。それはワールドカップやトップリーグでの活躍を見てもわかる。彼がチームに戻ってきて嬉しい。ほかの選手たちに対しても影響力は強いし、彼には自分の仕事をしてほしいと思っている」

身長195センチ、体重120キロでパワーとスピードを兼ね備えるベン・ガンター(撮影:Hiroaki.UENO)

 日本はスピードで上回ることが勝利への重要なポイントとなるが、指揮官はFW3列にもそのスキルを求めており、初キャップとなるベン・ガンターに6番を任せた。「彼は若くてエキサイティング。トップリーグでも活躍していた。これまで多少のけがはあったが、いまはチームにフィットして、コンディションもすごくいい状態」と期待している。オーストラリア出身のガンターにとって、特別なデビュー戦となりそうだ。

 ガンターのほかに、リザーブに名を連ねたニューフェイスのCTBディラン・ライリーもオーストラリア出身で、初キャップへの準備をする。LOで先発するジャック・コーネルセンとジェームス・ムーアも母国の代表と初めて対戦することとなり、父のグレッグさんがワラビーズのフランカーだったコーネルセンにとっては特別な感情を抱く試合になるかもしれない。

今秋、3年継続居住の条件をクリアして日本代表資格を得たディラン・ライリー(撮影:Hiroaki.UENO)

 新キャプテンに任命されたピーター“ラピース”・ラブスカフニは、合宿中にハムストリングスを痛めていたそうだが、いまは100%、フィットネス的にも戻ってきているとのこと。7番をつけ、いつものようにハードワークでチームをけん引するに違いない。

 前主将のFLリーチ マイケルはベンチスタート。同じく経験豊かなSO田村とともに、後半から出てしっかりインパクトをもたらすことが期待されている。

 リザーブにロックはいない。負傷離脱者が出て、リアキ・モリは脳しんとうから戻ってきたばかりであり、必要な場合は、ロックの経験もある姫野和樹らFW3列の選手でカバーすることになる。

 ビッグチャレンジへ向けジョセフ ヘッドコーチは、「我々は自分たちにフォーカスすることが大事。自分たちがやらなければいけないことをしっかりやる」と力強く語った。

▼日本代表 試合登録メンバー
※ 画像をクリックするとPDFで大きく表示されます。

1.稲垣 啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/36 caps)
2.坂手 淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/23 caps)
3.具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ/15 caps)
4.ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/2 caps)
5.ジェームス・ムーア(NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安/10 caps)
6.ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/-)
7.ピーター“ラピース”・ラブスカフニ(主将/クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/10 caps)
8.姫野 和樹(トヨタヴェルブリッツ/18 caps)
9.流 大(東京サントリーサンゴリアス/24 caps)
10.松田 力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/25 caps)
11.シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ/2 caps)
12.中村 亮土(東京サントリーサンゴリアス/26 caps)
13.ラファエレ ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ/25 caps)
14.レメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛/15 caps)
15.セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ/1 cap)

16.庭井 祐輔(横浜キヤノンイーグルス/8 caps)
17.クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/2 caps)
18.ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ/16 caps)
19.リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京/70 caps)
20.テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス/5 caps)
21.齋藤 直人(東京サントリーサンゴリアス/2 caps)
22.田村 優(横浜キヤノンイーグルス/65 caps)
23.ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/-)

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