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【トップイースト】22-32。横河武蔵野、セコムに痛恨の黒星

2021.10.19

セコムWTB岡田真一のアタックを寸断しようとする横河武蔵野CTB小沢翔平。(撮影/山形美弥子)

ボールを持つPR高田和輝と、サポートするPR古澤陸。「今日は二人で行こうと決めていた」(撮影/山形美弥子)
セットプレーの安定を図るために抜擢されたHO崩光瑠。(撮影/山形美弥子)
青いヘッドギアがトレードマーク、PR古澤陸。(撮影/山形美弥子)



 一部の選手に依存しない8人ひと塊の理想的な形のスクラムのセコムが、ここ一番の決定力で横河武蔵野を上回った。

 10月16日、トップイーストリーグAグループの横河武蔵野アトラスターズがセコムラガッツと敵地(埼玉・狭山市)で対戦し、32−22で今季3つ目の黒星を喫した。
 FW対決に闘志を燃やす両者の戦いは、重低音と地響きを立てる迫力の肉弾戦となった。

 横河武蔵野はラインアウトでは、ほぼ完璧な仕上がりだった。相手ボールを奪うシーンも見られ、スクラムではペナルティを獲得。前後半を通して安定していた。
 前半9分にHO崩光瑠、31分にはFL金澤省太郎が、それぞれモールのスペシャルサインからの攻撃をフィニッシュさせた。

 スコアは逆転に継ぐ逆転という激しい展開を続け、19−22と僅差で折り返した(セコム3点リード)。
 均衡が破れたのは後半20分を過ぎてからだ。横河武蔵野は最終的に合計4トライを失った。スコアされるゾーンまで入られた要因はペナルティだった。
 ターンオーバーしたボールを失い、得点を許す結果となった。

 スピードをつけて当たってくるセコムのディフェンスを相手にフェーズを重ねて攻め続ける際、真正面で戦うFWがエネルギーを消耗してしまったことが悔やまれる。早めのブースター投入が望まれた。

 藤山慎也ヘッドコーチは「セコムさんが素晴らしいラグビーをしていましたよね」と切り出し、「とはいえ、勝つチャンスもあったので、本当に惜しいですね。選手はしっかり頑張って、やるべきことはできているので、スタッフがどうコントロールしてあげるのか。そこが大事かと思います」と語った。

 HO崩光瑠(30歳)は、今季リーグ戦に初先発した。抜擢の理由はセットプレーの安定を図るため。
「セットプレーに関しては、おおむね問題なく良い感じで支配できた。みんな気持ちも入っていたし、よく我慢していたのですが、中盤、相手にとどめをを刺す何かが足りなくて今日は決定的なところまでいけなかった」と振り返った。

「セコムはチームとして、フィジカルで優位に立って、キックでしっかり敵陣に入ってきた。FWで仕留め切るという意思統一がしっかりされていると感じました」

 CTB松下修士にとってこの日は、2年振りの公式戦出場となった。

「怪我が続いてチームに迷惑をかけたこともあり、今日は自分にできることをまずやらなきゃいけないという責任感が大きかった」と切り出した。

「(久々の公式戦で)できるかなという思いの反面、やるしかないなという思い、またリーグ内最強を誇るセコムFWに対して1番PR高田和輝と3番PR古澤陸が80分出続けた働きと頑張りに、プラス、チームに良い影響を与えられるように、精一杯のことをやるつもりで臨みました。次節も、もう少しできる気がします」と語った。

 キャプテンシーを兼ね備えたチームマンとして2019度にはキャプテンを務めた松下。激しく消耗したFWを鼓舞激励する思いを身体で示し、ブースターとしての役目を全うした。
 その復活が、リーグ後半戦でのチームの巻き返しに期待感を与える。

 次節は30日、敵地でヤクルトレビンズと激突する。
※試合の模様は、セコムラガッツの公式YouTubeチャンネルでご確認ください。


強いキック力と闘志で仲間の信頼を得たCTB髙橋大輔。(撮影/山形美弥子)
キャプテンシーを兼ね備えたチームマン、CTB松下修士。(撮影/山形美弥子)
マン・オブ・ザ・マッチに輝いたセコムHO新井幸輝。(撮影/山形美弥子)

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