「非常に反省点の多い試合」。大勝した明大。しかしいつも温厚な神鳥裕之監督の声は低く沈んだトーンだった。
10月9日、江戸川区陸上競技場で関東大学対抗戦グループの2試合が行われた。14時にキックオフした明大vs日体大は、明大が8トライの猛攻で日体大を46-10で破り、開幕3連勝とした。
先制点を奪ったのは日体大。「試合の入り10分に集中した」(髙橋泰地主将)と前に出る勢いを見せ、前半10分にNO8ハラトア・ヴァイレアがPGを決める。その後は明治が得点を重ねていったが、特に前半は日体大の愚直なディフェンスが機能した。
タックラーが素早く飛び出し、ボールを受けるアタックの選手に圧力がかかる。明治は荒削りながらがむしゃらな日体大の防御に苦しんだ。
「1v1で受けてしまった」とは明大・飯沼蓮主将。
「結果、ブレイクダウンで思うようにクイックボールが出せず、次のディフェンスにしっかりセットされてしまい、また(日体大ディフェンスに)前に出られる。その繰り返しになった」
最終的に8トライを挙げたゲームだったが、飯沼主将は「ゼロ点の試合でした」と、厳しかった。
確かに明治は、相手の両翼の俊足選手(鈴木颯=豊多摩出身、田中大世=兵庫・甲南出身)のスピードと、ハラトアらパワーのあるFWの留学生を生かしにくる日体大に手こずる場面もあった。
しかし、大勢においてはやはり、あらゆる面で明治が一枚も二枚も上手だった。
日体大ディフェンスの圧力にミスを繰り返しながらも、思い切ったアタックでは近場で堂々当たり合う。コンタクト場面の連続は、かえって明治の側に活力を生むようにも見えた。一方、BKで勝負する局面では野性的な加速でボールを受ける明大CTB廣瀬雄也の働きが光った。廣瀬はキックでも効果的に陣を進め、ラインのコントロールにも参加、SO伊藤耕太郎と司令塔の役割を分け合っている。ただし、神鳥監督のレビューは「彼も、今日のパフォーマンスでは当然、満足していないと思う」とまたも厳しかった。
青学大(52-3)、立教大(68-7)に続く勝利を挙げた明大は、10月24日に筑波大と対戦する。