2試合で総得点148。すべては勝者が挙げたものだった。
9月25日、関東大学対抗戦Aの2試合が上柚木陸上競技場で開催され、帝京大が青山学院大に52-0、早稲田大が日本体育大に96-0で勝った。
帝京大は前後半に4トライ、26点ずつを奪い完勝した。
前半6分、スクラムを押し切って先制トライを奪う。滑らかなスタートを切った。
青山学院大はよく前に出るディフェンス、一人ひとりのロータックルで対抗した。セットプレーで圧力を受けても、ボールが動き出せばFL中谷玲於らが前に出て刺さる。
相手のミスを誘うシーンも少なくなかった。
ただ、赤いジャージーは落ち着いていた。もっとも相手と差のある点で勝負を挑んだ。
追加点は前半26分。ルーキーのLO本橋拓馬がインゴールに入ったプレーは、ラインアウト後の攻撃から。FWがブレイクダウン近場で前に出続け、機を見て仕留めにかかる。
最後に本橋が防御のスキを走った。
34分、37分の加点は、ラインアウト後のモールを押し込んで奪ったものだった。
26-0とリードして迎えた後半8分にも相手反則で得たPKからラインアウト、モールでトライを追加する。危なげなくフィニッシュした。
ゲームキャプテンを務めたCTB押川敦治は、「前半から自分たちのアタックをできていたが、ミスでチャンスを逃してしまった」と反省を忘れなかった。
スコアが停滞していた時間帯にトライを奪った本橋は「チームに勢いをもたらしたいと思ってプレーした」と話した。
青学大は完封負けに終わったが、ハードタックルで自分たちの意志を伝えるプレーを見せた。
SO桑田宗一郎主将は、「(前試合の)明治戦同様、ディフェンスでは粘れた。低いタックルで止めることはできた。ただ80分、継続することはできませんでした。上にいくと(タックルが高いと)、つけこまれた」と反省した。
早大は前後半とも7トライを奪い(前半49点、後半47点)、大勝した。
ラスト10分で3トライを重ね、途中出場選手たちも存在感をアピールした。
先制点は開始3分だった。日体大の反則でPK、ラインアウトを得る。ボールを停滞させることなく動かし、ルーキーでNO8の佐藤健次が右中間インゴールに入った。
11分の追加点は相手キックを受けた後、自陣からの攻撃で奪った。
WTB松下怜央が好走を見せてビッグゲイン。日体大ゴール前に攻め込んだ。そこから大きく左に振り、最後はWTB槇瑛人が決める。
この日の早大は80分を通してハイテンポで攻め続けた。FWが素早く出すボールを、SH宮尾昌典がすばやく捌き続けた。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチには、SO吉村紘が選ばれた。
14回のコンバージョンキック機に13回成功。自らトライも挙げ(計31得点)、よくボールを動かした。
しかし本人は、「スコアは開いたが、この試合のテーマだったアキュラシー、正確性という点では納得できない」とした。
「相手の使ってきた長いキック、高いキックに対応し、(そこから)攻めることができた点は良かった」と話すも、見つめる先は、もっと高いところにある。
ただ、早大が着実に進化を続けているのは確かだ。
今季初戦に続き、サポートプレーからトライを奪ったSH宮尾、この日2トライのNO8佐藤と、ルーキーたちが成長を続けている。この日は昨季の主力、2年生のFL村田陣悟が今季初出場を果たした。
次戦の筑波大戦(10月9日)へ向け、細部を磨く作業は続く。