関東大学対抗戦Aの初戦で、前年度王者の明大が同最下位の青学大に苦しめられた。
明治は終始、スクラムでは優勢に立った。SOの伊藤耕太郎は鋭い仕掛けからのパスでチャンスを量産した。ハイテンポな攻撃を成立させれば、この午後2トライを挙げたLOの武内慎ら個々の推進力を活かすことができた。最終は52―3と、向こうをノートライに抑えて勝った。
しかし序盤は、鋭いタックルを喰らって何度もボールを失った。前半17分にはペナルティーゴールで先制点を与え、続く36分にはラフプレーで退場者を出した。点差が開きだした中盤以降も、相手に粘られた。
SHの飯沼蓮主将は、「1対1で勝ってクイックボールを出そうとしていましたが、結末で(点を)取り急いで、ミスが多くなった」。反省しきりだった。
かたや「(明大に)レッドカードが出ても…」と語り出すのは、青学大の桑田宗一郎主将。この日チーム唯一の得点者となったSOは、アウトサイドCTBの金澤春樹らとともに防御の裏へのキック、鋭いパスで活路を見出そうとしていた。
「(明大に)レッドカードが出ても、あまり自分たちが『行ける』とは思わず、自分たちに矢印を向けようと声掛けをしていました」
チームが看板にする防御では、LOの清原裕揮が要所でのジャッカル、WTBの大村知意が防御網の押し上げで光った。FLの小川智大、PRの中西翔太郎らも勇敢に刺さった。
最後は豪華戦力を誇る明大の圧力に屈し、桑田主将は「明大の継続するラグビーになかなかボールを奪う機会がなく、綻びから失点した。そこは修正したい」。ただし「ディフェンスでは、序盤はFWを中心に頑張れた」と、味方の献身を称えた。