アシペリ・モアラは耐えていた。
春までに左膝半月板を手術した。約4か月の雌伏期間を経て夏に復帰も、まもなく左肩に肉離れを負った。
「泣いてたっすね、夜」
再びリハビリ生活に戻る。所属する天理大ラグビー部が2年ぶりに実施できた長野・菅平での夏合宿でも、トレーニングマッチには出られなかった。
学生ラストイヤー。「悔しい」を繰り返した。
「春、夏、試合に出られなくて悔しいです。今年、最後だし、菅平も今度いつ来られるかわからないのに…。この3週間、リハビリして、しっかり治す」
公式で「身長185センチ、体重112キロ」。昨年度に初の大学日本一に輝いた天理大では、大型選手が務めるLOを担う。突進力、ジャッカルやカウンターラックの際の粘り腰は、大学シーン屈指と言われる。
「まず、(今季、関西大学春季トーナメントで)同大に負けた悔しさを活かす。選手権2連覇を目指したいです」
学生生活最後のシーズンはこの秋、本格化する。チームが加盟する関西大学Aリーグでの初戦は9月19日。相手は近大だ。大阪・ヤンマースタジアム長居でのこの一戦に、モアラは出るつもりだと言う。