2340人のファンが見つめる前で、挨拶代わりのトライを奪った。
横河武蔵野アルテミ・スターズから2022年6月までの期限付き移籍でエクセター・チーフス(ウィメンズ)に所属する小林花奈子(かなこ)が初めてのプレシーズンマッチでトライを奪った。
8月21日、ホームにワスプスを迎えておこなわれた試合には14-18と敗れるも、背番号13を付けて持ち味を発揮した。
両チームを通じて前半唯一のトライを挙げたのが小林だった。
前半終了間際、左サイドのラインアウトから攻めたチーフスは主将のNO8ケイト・ザッカリーがラインブレイクしてゴール前へ迫る。相手のタックルを受けてボールを置いたところにサポートしていた背番号13が駆け寄った。
小林はそのボールを拾い上げ、すぐに左に持ち出す。そのままインゴールに持ち込んだ(コンバージョンキックも決まり7-3)。
小林は後半最初のトライにも絡んだ。
8分だった。相手ノックオンから始まった攻撃。フェーズを重ねた後にインサイドCTB、ガビー・カントーナが蹴ったキックをチェイスした。そのボールを手にした小林は相手のタックルを受けながらオフロードパスを出す。サポートしたFBオリビア・ジョーンズがインゴールまで走り切った(コンバージョンキックも決まり14-3)。
後半29分に逆転を許してそのまま敗れるも、初登場で自身の力を証明する機会となった。
チーフスは、この日も1番で出場していた加藤幸子が、昨季から所属しているチームだ。加藤もアルテミ・スターズから期限付きの移籍。ルーキーイヤーの活躍で同選手は女子プレミアシップのベスト15に選出された。その結果、今季の契約は昨季の試合出場給からステップアップした内容になっている。
小林にも大きな期待が寄せられている。
同選手の入団がチームから発表されたのは8月17日だった。同日、チームのウェブサイトにはスージー・アップルビー ヘッドコーチ(以下、HC)のコメントが掲載された。
「正直なところ、私は花奈子のことをあまり知りませんが、これまでに受けたレポートや日本のコーチ(女子15人制日本代表、レスリー・マッケンジーHC)の話によると、その力は非常に高く評価されています。若く、強くて、速く、両足で蹴ることができます」
アップルビーHCは、自身が聞いていた小林評が正しかったと初戦にして確信しただろう。
リーグの公式戦は9月11日から始まる。その日対峙するブリストル・ベアーズ戦に小林と加藤、ふたりの名前が並ぶ可能性もある。