ラグビーリパブリック

ラグビー・アナリストが岩崎学園でIoT講演。学生たちの息吹に、ラグビー分析の将来像も浮かぶ。[木内 誠/三菱重工相模原ダイナボアーズ]

2021.08.15

オンライン上のバーチャル空間「oVice(オヴィス)」で開かれたイベント「アイデアソン」(写真:岩崎学園)

 ラグビー最前線の現場のプロが、学生たちに大いに刺激を受けた。

 専門学校などを経営する岩崎学園が開いたオンラインイベントで、来年1月開幕のリーグワン(ディビジョン2)参入予定の三菱重工相模原ダイナボアーズのスタッフが講演を行った。8月6日、7日に渡って開かれたイベント「岩崎学園7校合同アイデアソン」で同チームの木内誠氏が「演壇」に立った。耳を傾けたのは、岩崎学園グループ各校の学生たち55人。オンライン上のバーチャル空間「oVice(オヴィス)」に集まった。

*「アイデアソン」は、アイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を掛け合わせた造語で、ある特定のテーマについて多様性のあるメンバーが集まり、対話を通じて、新たなアイデア創出やアクションプラン、ビジネスモデルの構築などを短期間で行うイベントのこと

参加した情報科学専門学校の学生からは、興味深い感想も。

「現在のAI技術を使用すれば、選手にタグを持ってもらわなくてもカメラ映像だけで選手の動きを追うようなこともできるのでは。ラグビー競技とIoTは、まだまだ色々な可能性があると思う」(学生)

現場でプロのアナリストとして働く木内氏は、チームでの分析作業について、IoT技術の活用の様子などを伝えた。そしてまた、木内氏自身も学生たちから、いいインパクトを受け取っていた。下記はイベント後の木内氏のインタビュー。社会と積極的に関わる活動はチームにも貴重なフィードバックを与えるようだ。

ダイナボアーズで分析を専門に行うスタッフ、木内誠氏(写真:岩崎学園)

「若者のアイデアを是非聞かせてもらい、チームにも取り入れていけたらと思う。特に、岩崎学園は様々な専門分野の専門学校(ファッション、IT、医療情報、クリエイティブ、リハビリ、看護、保育の7つ)があるので、専門的な学びをしている学生と連携することで、チームの課題解決ができれば」

 具体的には、どんな解決がイメージされるのだろう。

「例えば、アナリストの視点から言うと、より選手の分析ができるような、ユニフォームの開発などできれば素晴らしいと思う。ユニフォームにGPSを組み込んで、選手の動き・速度を計れたり、ユニフォームの伸縮性から、選手がどのような動きをしているのかを計れたり、ケガの状態が分かるようなものができると良いと思う」

 スポーツに関わって働く人々の、仕事の模様も一変するかもしれない。

「アナリストの業務では、コーディング(選手1人1人の動きを1つずつマーキングしていくもの)などの単純作業は、どんどんAI化されるといい。分析をするまでに必要なデータ収集の時間が省ければ、アナリストは本来の、分析そのものにより時間を割くことができるようになる。AI化されることで、よりアナリストの存在意義が発揮できるのではないか。今はまだ夢のような話かもしれないが、IoTとファッションとスポーツを、掛け合わせることで、可能になるのではないかと期待している」

地域の教育機関とチームの連携の一の矢となった今回のセッション。ダイナボアーズの営業統括、佐藤喬輔氏は、新たなチームの取り組みに可能性を見出している。

「ラグビーチームと学校が、年間を通して産学連携をしている事例は、なかなか少ないと思う。今後も、同じ神奈川県にある教育機関・ラグビーチームとして、地域貢献や、学生の成長、チームの発展につながるような取り組みをしていきたい」

 岩崎学園とダイナボアーズ。リーグワンチームの、地域への取り組みにおいて、新しい形の模索が始まった。

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